
【アーカイブ特集】この夏に観たいドキュメンタリー映画10選|映像と本で知るアジアの現実
- ドキュメンタリー
- 映画
- 本
一本の映像から、一冊の本へ。
夏は、少しだけ立ち止まって、新しい世界に出会いたくなる季節です。
旅に出る。
映画を観る。
本を読む。
いつもより少し長い時間をかけて、一つのテーマと向き合えるのも、この季節ならではの楽しみではないでしょうか。
一方で、私たちの周りには毎日膨大な情報が流れています。
スマートフォンを開けば世界中のニュースが届き、知りたいことはすぐに検索できる時代になりました。その反面、一つの出来事の背景を知り、自分なりに考える時間は、少しずつ減っているのかもしれません。
だからこそ、この夏は「知る」を少し深めてみませんか。
2021年から2022年にかけて、FLAG!では動画配信サービス「アジアンドキュメンタリーズ」と広島 蔦屋書店とのコラボレーション企画として、「映像と本で知るアジアの現実」をテーマにした連載を掲載しました。
戦争、貧困、環境、人権、表現の自由──。
テレビではなかなか触れられないテーマを扱うドキュメンタリーを、広島で活躍する編集者や映画監督、クリエイター、経営者など、多彩なゲストが鑑賞。それぞれの仕事や人生経験を通して作品を読み解き、「今を生きる私たち」に何を問いかけているのかを語っています。
そして、この連載のもう一つの主役が、広島 蔦屋書店のコンシェルジュです。
各作品の最後には、作品のテーマをさらに深く知るための一冊をセレクト。ドキュメンタリーで興味を持ったテーマを、本を通してより深く学べるよう構成しました。
映像で知り、本で考える。
一本の映像をきっかけに、一冊の本へとつながる「知る体験」。それが、この三者コラボレーションで目指した企画です。
この夏は、気になるテーマから世界をのぞいてみませんか。
報道・表現の自由を考える
ドキュメンタリー映画
真実を伝えることは、ときに命を懸けることでもあります。
報道の自由、戦場の記録、市民による情報発信。情報があふれる時代だからこそ、「伝える」とは何かを改めて考えさせてくれる作品です。
1.『石川文洋を旅する』
大学院講師・映画批評家の世良利和さんが、戦場カメラマン・石川文洋さんの歩みを通して、「戦争を記録すること」の意味を読み解きます。写真は何を残し、何を伝えるのか。
2.『ラッカは静かに虐殺されている』
Social Book Cafeハチドリ舎店主・安彦恵里香さんが、命懸けで真実を発信し続けた市民ジャーナリストたちの姿から、「知ること」と「伝えること」の責任を考察します。情報を受け取る私たち自身の姿勢も問いかけられる内容です。
命・暮らし・働くことを知る
ドキュメンタリー映画
国や文化は違っても、人は誰かと支え合いながら生きています。
食、医療、女性の生き方、働くこと。日々の営みの中にある「生きる力」に触れる作品です。
3.『聖者たちの食卓』
映画館「サロンシネマ」「八丁座」を運営する株式会社序破急 支配人の蔵本健太郎さんが、巨大な共同炊事場を舞台にした作品から、「食」が人をつなぐ力について語ります。文化や宗教の違いを超えて支え合う人々の姿から、豊かさの本質を見つめます。
4.『ブラッド・ブラザー』
広島 蔦屋書店の文芸コンシェルジュ・江藤宏樹さんが、「知ること」の価値をテーマに作品を読み解きます。誰かの人生に寄り添うこと、そしてドキュメンタリーと本が持つ力について語ったインタビューです。
「知る」ということの重みと価値を感じたい【アジアンドキュメンタリーズ】江藤宏樹が語る『ブラッド・ブラザー(ノーカット完全版 日本初公開)』
5.『サーカス・カトマンズ』
伊達文香さんが、逆境の中でもサーカスに希望を見いだす少女たちの姿から、「誇りを持って生きること」の意味を語ります。表現することが人生を切り開く力になると教えてくれる一編です。
表現活動のパワーを生み出した彼女たちの「誇り」【アジアンドキュメンタリーズ】伊達文香さんが『サーカス・カトマンズ たとえ堕ちたとしても』を語る
歴史・記憶・アイデンティティを考える
ドキュメンタリー映画
歴史は過去ではなく、今につながっています。
虐殺、民族問題、被爆。それぞれの作品が、私たちに「記憶すること」の意味を問いかけます。
6.『アクト・オブ・キリング』
TVCM監督・映画監督の宮川博至さんが、虐殺の加害者を描く衝撃作を通して、「正義」とは何かを考察します。善悪だけでは割り切れない人間の複雑さと、ドキュメンタリーが持つ表現の可能性に迫ります。
虐殺者たちの正義の果てに、想像を超えた現実が見えてくる【アジアンドキュメンタリーズ】TVCM監督・映画監督の宮川博至さんが『アクト・オブ・キリング』を語る
7.『いつか故郷へ ―カレン族の闘争―』
ライター・清水浩司さんが、故郷を追われたカレン族の日常を通して、「アイデンティティ」と「故郷」の意味を考えます。民族問題を遠い国の話ではなく、一人ひとりの生き方として見つめ直します。
少数民族のアイデンティティを揺るがす、彼らの日常【アジアンドキュメンタリーズ】ライターの清水浩司さんが『いつか故郷へ ―カレン族の闘争―』を語る
8.『太陽が落ちた日』
元広島フィルム・コミッションの西崎智子さんが、被爆者を描いた本作の魅力を語ります。日常に寄り添う視点だからこそ伝わる原爆映画の新たな可能性と、記憶を未来へつなぐ映像の力について考えます。
日常に寄り添い、生き方に迫る、原爆映画の新境地【アジアンドキュメンタリーズ】広島フィルム・コミッションの西崎智子さんが『太陽が落ちた日 【日本初配信】』を語る
環境・未来・創造性を考える
ドキュメンタリー映画
未来は、今の選択の積み重ねでできています。
環境問題や芸術をテーマに、これからの社会を考える2作品です。
9.『世界で一番ゴッホを描いた男』
元塾講師・家庭教師の秋山夕日さんが、「本物」と「コピー」の境界を、自身の仕事観とも重ねながら語ります。作品を通して、表現することや生き方そのものを見つめ直すインタビューです。
コピー作家にも宿る、本物の「生き方」【アジアンドキュメンタリーズ】元塾講師・家庭教師の秋山夕日さんが『世界で一番ゴッホを描いた男』を語る
10.『森林伐採 ―オリンピックのために―』
経営者のチョードリー・サマールさんが、森林伐採を環境問題としてだけでなく、「未来を生きる子どもたちへの責任」という視点から読み解きます。身近な行動が未来につながることを考えさせてくれる内容です。
地球のためになる行動で子どもたちの未来を【アジアンドキュメンタリーズ】経営者のチョードリー・サマールさんが『森林伐採 -オリンピックのために-』を語る
一本の映像から、一冊の本へ。
ドキュメンタリーは、世界で起きている出来事を教えてくれます。
そして、本は、その背景や歴史、人々の思いをより深く理解する時間を与えてくれます。
この連載で届けたかったのは、作品の紹介だけではありません。
一本の映像を観る。
ゲストの言葉に耳を傾ける。
広島 蔦屋書店が選んだ一冊を手に取る。
そんな「映像から本へ」と続く知る体験そのものです。
この夏、気になるテーマから一本のドキュメンタリーを観てみてください。
そして、「もっと知りたい」と思ったら、その先にある一冊の本を開いてみてください。
一本の映像から、一冊の本へ。
その小さな一歩が、世界を少し深く知るきっかけになるかもしれません。
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