【D’companies 第9回】怒涛のボツ原稿に四苦八苦
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『D‘companies』は、広島の中小企業を学生目線で紹介する就活ガイドブックです。
広島で商品サービスや社会貢献度、社員教育などでPRするところがたくさんある企業を、キラリと輝く原石のような企業という意味を込めて、ダイヤモンドカンパニーと呼んでいます。
そんな『D‘companies』制作の裏側をつづるこちらのコラム。
第9回は、広島大学文学部人文学科日本文学語学コース3年の安田和愛が担当します。
大学では日本文学を専攻しており、現在は卒論のテーマにしようと思っている、太宰治のおびただしい量の先行研究に目を通すことに明け暮れています。
D’companies学生編集局では特集記事制作部門と広報・流通部門の二部門に所属しています。
今回のコラムでは、先日全てのチームが入稿を終えた特集記事制作部門が、実際に原稿を作成し入稿を果たすまでの間で、どのような過程を辿ったのか、そしてどんな困難を乗り越えてきたのかについてご紹介したいと思います。
ピンチ! いきなり企画が白紙に
第1回のコラムで取り上げられたように、各々が書いた企画書を提出・発表し終えた私たちは、似た企画案を持ち寄ってチームに分かれて記事を作成することになりました。
メンバー全員でミーティングを重ねて、チームとして最初の企画書と簡単なラフを作成し提出しました。

▲一回目に提出したラフ原稿
就活生に、「就活の際に利用して良かったツール」をスケジュールの形で紹介するという記事を考えました。
ただ情報を並べるのではなく、スケジュールの形をとることで、どのタイミングでどんなツールが利用できるのかを読み手に分かりやすく紹介できるのではないかと、手ごたえを感じつつ企画を提出しました。
しかし、別のチームが提出した企画案と記事の構成が被ってしまったことにより、企画の大部分が白紙に戻り、また一から練り直すことになりました。
複数人で一つの企画をまとめなければなりませんが、学生編集局員である私たちは大学生であり、就活生でもあります。
講義もあれば、アルバイトやサークル活動、そしてインターンシップなどで多忙を極めています。
ミーティングの日程決めすらなかなか思い通りにはいきませんでした。
毎日ミーティング! 寝る間も惜しんで企画の話し合い

▲ミーティング風景
最初の企画が白紙に戻ってしまってから、私たちは数えきれないほどラフ案を提出しました。
「D‘companiesらしさって何だろう?」「もっと紹介したいツールを絞らないといけないね」など、何度も行き詰まり、そのたびにミーティングをして少しずつ形にしていきました。
チーム全員の日程が合わない中でのミーティングは、夜22時から始まり、日付が変わる直前まで議論が白熱したことも多々ありました。
和気あいあいとしつつも、真剣に企画を練るメンバーの姿に刺激され、互いに高めあいながら新しい企画書を作成することができた気がします。
数えきれないボツ原稿!
最終的に作成した企画書とラフでは、企業と学生を『繋ぐ』ことをテーマにしたいということでチーム全員の意見がまとまりました。
記事の大まかな方向性は決まっても、まだまだ課題は多く残ります。
テーマに沿った内容にするためには何を取り入れて、何を削るべきかを話し合い、それをどういった形で視覚的に伝えるかについても考えました。
記事を制作する中で私たちは「読者も巻き込むような、一方通行にならない意見交換の場になるような記事」を譲れない要素として掲げ企画プレゼンを行い、ようやく企画が通りました。

▲たくさんのボツ原稿たち
ついに原稿作成に着手
企画とラフ案が無事に通ったあとは、企業へのアンケート作成、アンケート先のピックアップ、原稿作成、イラスト作成などやらなくてはならないことが山積みでした。
しかし、入稿日はもう一週間後。
ミーティングを開く時間も惜しく、LINEグループでのやり取りを通して役割分担や意見交換を行いました。

▲入稿の瞬間のLINEでのやりとり
チームの代表がPDFにまとめてくれた原稿をLINEにて提出し、入稿は完了しました。
入稿日当日の夜まで、原稿作成に時間はかかってしまいましたが無事に記事になることを楽しみに待ちます。
怒涛のボツ原稿を毎日目に涙を浮かべて修正し、無事入稿までたどり着くことができました。
これからまた校正の作業などが待っていて、まだ気を抜くことはできませんが、とりあえずは休憩することができそうです。
今回の記事では怒涛のボツ原稿を公開し、特集記事制作部門が記事を作成するまでの道のりを紹介してきましたが、実際の記事がどんな仕上がりになるのかは、『D‘companies vol.04』にて初お披露目となります。
私たちが心血注いで制作した特集記事が掲載される『D‘companies vol.04』を書店などでお見かけの際は、ぜひお手にお取りいただけるとうれしいです。
■私のおすすめ本■
FLAG!webは「本に出会う」がコンセプト
学生編集局メンバーが出会ったおすすめの一冊をご紹介します。
『新潮文庫 走れメロス』(著者:太宰治/出版社:新潮社)
『人間失格』や『斜陽』で有名な太宰治の短編集。
表題になっている『走れメロス』は誰しもが一度は読んだことのある名作でしょう。
太宰の作風は前期・中期・後期の三つに分類されると言われていますが、今回紹介する短編集は、比較的明るく、ユーモアにあふれた中期の作品が多く収録されている短編集です。
この短編集の中でも特に私がおすすめする作品は『駈込み訴へ』です。
「申し上げます。申し上げます。旦那さま。あの人は、酷い。酷い。はい。厭な奴です。悪い人です。ああ。我慢ならない。生かして置けねえ」
この独特な冒頭は、読んだ人の心に残ること間違いありません。
息をするのも忘れてしまいそうなユダの告白を聞きながら、彼の吐露する愛憎をどのように受け止めたらいいのか、読み手の心をかき乱す名作です。
短編集は毛色の異なる様々な作品が詰まっています。あなたのお気に入りの一作品が見つかるかもしれません。
文/安田和愛(広島大学)

D’companies学生編集局[D’companies学生編集局]
広島県内外の学生達が主体となって、就活情報誌「D’companies」を制作する編集部。学生ならではの視点から、学生の就職活動に役立つ情報を発信する就職情報誌を目指します。
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