いつか気兼ねなく行ける準備でもしておこうか。【カレーと本に出会うため】
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- 横川町
近年、広島県の横川町に、おいしいカレーの店が増えてきた。それと、なぜか同時に古本屋も、だ。
この現象に、ある町を思い出した。
東京都の神保町。
「カレー」と「本」。このキーワードを聞いて神保町を思い浮かべる人は、きっと昭和生まれの人間か、よっぽどの本好きか。
神保町は、いわずと知れた古本屋が密集する都内きっての「古本の町」。古典から雑誌まで、あらゆるジャンルの古本を求めるなら、神保町に行けば、だいたいの本が見つかる。
今のようにインターネットが普及する前は、電子ブックという概念はなく、もちろんAmazonや楽天ブックスもない。珍しい本や絶版になった本を探すためには、よく神保町に行っていた。特に「書泉グランデ」は、仕事でもお世話になった思い出深い書店だ。
神保町で降車して、靖国通りから小川町まで古本屋を出たり入ったりの繰り返し。お目当てのものじゃない本を購入することなんて、神保町あるあるだ。小川町まで来ると、ついでにCDやレコードをあさるため御茶ノ水に出向く。そして、三省堂やジュンク堂で本巡りが終わるころは、めちゃくちゃ腹が減っている。
そこで、遅めのランチとなるわけだ。
「共栄堂」「まんてん」「ボンディ」「エチオピア」「カーマ」といったお店から、スパイスの香りが漂ってくる。空腹時のこの強烈な誘惑は、今もしっかりと脳に刻み込まれている。
要は、本との出会い=カレーとの出会い。
一部の本好きな人には、このよくわからない構図が記憶として埋め込まれている。
ゆえに、横川における本屋とカレーは、「本との出会い=カレーとの出会い」をほうふつとさせるのだ。
ということで、緊急事態宣言が明けたら本を内ポケットに(古いな、この表現)、新たな本とカレーに出会う散歩をしたい! そんな欲求にこたえてくれる町が、横川町なのではと気づいた。
横川サブカルエリアへ
まず、横川駅の南側エリア。
改札を出て、まず『フタバ図書』が目に入る。町の本屋って、こんなんだよなーとか思う。あって当たり前。ないと困る。そんな存在。それについては、また今度書きたい。
そんな『フタバ図書』を左に入り、「くろすろーど商店街」を抜けて「星のみち商店街」に入ってすぐの路地にある『本と自由』。カフェバーを併設した古書店だ。
その近くに『カレー&バー外国』というお店があり、店名のとおり、カレーを提供するバーだ。
この2店舗は、映画館『横川シネマ』にも近く、横川のサブカルっぽさを代表するエリアのはしりともいえる。
「映画」「カレー」「古本」と、徒歩3分圏内で満喫できるエリアは珍しいのよ、本当に。
また、路面電車(広島では市電とも呼ぶ)が南に十日市方面へ走る道路をまっすぐ歩くこと5分程度。
ガソリンスタンドが見えるT字路の近くには、『イリガン珈琲』というお店がある。
この店の代表メニューといえば、カレーだ。カレーの香りプラス、自家焙煎するコーヒーの香りもたまらない。
店内には店主の父が集めた本が並び、自由に読めて、さらにレンタルもしているのだから、本好きにはたまらないお店だ。
店主が書籍『大坊珈琲店』を読んで、「こんなお店が横川にもあれば」という思いで店をオープンしたということを聞き、それ以来、私はイリガン珈琲さんに足を向けて眠ることはない。「ステキな店をありがとう」そんな気持ちだ。
そんなイリガン珈琲店の2号店(テイクアウト専門)が、なんと! 先述したあのサブカルエリアの近くにも出店。カレー好きな消費者としては、とてもありがたい。
『イリガン珈琲店』から歩いて5分ほど場所にある公園のそばには、『古本と珈琲 楢』がある。一軒家なので一見わかりづらいが、ちゃんと表札があるのでご安心を。古本のほか喫茶メニューでは読書に合うこだわりのコーヒーを販売しているので、ぜひためしてほしい。
十日市も加えていいかな?
横川ではなくなるが、隣の十日市近辺にはリトルプレスも扱う『READAN DEAT』や、本屋兼カフェバー『りんご堂』もおすすめだ。『りんご堂』でカレーが堪能できるぞ! 加えて、店主の好みでもある詩集の本が充実。新刊も取りそろえているので、定期的に通いたくなるお店だ。
クセが強い北側エリア
横川駅の北側には、駅から徒歩5分圏内にインドカレー店『Kamal Cafe』、カフェ『CAFÉIZM』と古本屋『マハ本店』がある。
『Kamal Cafe』は本格的なインドカレーだから、ナンは欠かせません。本を片手に、もう片方にナン。これじゃ何もできないので、『Kamal Cafe』ではインドの風味を集中して感じてほしい。
『CAFÉIZM』と『マハ本店』の2店舗は、徒歩2分以内の位置に立地しており、『CAFÉIZM』では『マハ本店』の店主がセレクトした本が販売されている。注文したメニューができあがるまで、本を選ぶのも楽しい。
『CAFÉIZM』にもヘルシーなカレーがあるのだが、ここではぜひコーヒーを注文していただきたい。希望すれば、店主自らが席まで来て、なんとカップにコーヒーを注いでくれるのだ。こんなぜいたくがあるだろうか。本を読みながら、その傍らでコーヒーを注ぐ店主……僕は貴族か。
お腹がすいていなければ、そのまま『マハ本店』へ。ここの選書がなかなか良い。アート系やサブカル系の本が多いので、横川にあるほかの古本屋とはまた違った楽しみ方ができる。
いかがですか。
横川だけで、「本」と「カレー」の出会いが十分に期待できるんです。
個人的に好きなルートは、十日市も入ってしまうけど(そこはね、神保町から御茶ノ水に出るような感覚ってことで)4つあるのだ。
①『READAN DEAT』⇒『りんご堂』(カレーとメロンソーダを注文するぜ!)
②『イリガン珈琲』(カレー食べるぜ!)⇒『古本と珈琲 楢』(ここで食後のコーヒーだぜ!)
③『マハ本店』⇒『CAFÉIZM』(カレー&コーヒーだぜ!)
④『本と自由』⇒『カレー&バー 外国』(やっぱりカレーだぜ!)&『横川シネマ』(気になる作品あるとき)
ですかねー。
気兼ねなく外出できるようになったら、おもいきり「本」と「カレー」を楽しむ!
そんな、梅雨入り前ですわ。
<紹介したお店>
※緊急事態宣言などによりお店が休業する場合や時短営業中の場合もあり。必ずお店に確認をしてください。
堀友良平[株式会社ザメディアジョンプレス 企画出版編集・FLAG!web編集長]
東京都出身。学研⇒ザメディアジョンプレス。企画出版、SNS、冊子などの編集担当。書籍「古民家カフェ&レストラン広島」などのグルメ観光系や、「川栄李奈、酒都・西条へ」などのエンタメ系なども制作。学研BOMB編集部時にグラビアの深さを知りカメラに夢中
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