【温鉄・番外編】芸備線・臨時快速「備後落合リレー号」に乗って スノーシューハイクへ行ったよ!
初めてのスノーシューハイク
初めてのスキー場、初めてのスノーシューハイク!庄原市にある「ひろしま県民の森スキー場」で開催中のスノーシューハイク体験に行った。芸備線・臨時快速「備後落合リレー号」と、期間限定無料バスのおかげで、運転なし!ありがたや!(免許がないんだよ)
運動音痴のやまもとが、初めての雪遊び
スキー。やったことない。スノボ。やったことない。そもそもスキー場にすら行ったことない。でもJR芸備線の臨時快速「備後落合リレー号」と連絡する期間限定の無料バスで、「ひろしま県民の森スキー場」に行けるらしい。なら行きたい!
庄原DMO主催の「スノーシューハイク」体験会。スノーシューというのはいわば“西洋かんじき”で、これを履けば雪の上でもズボッと足が沈むことなく歩けるのだ。経験豊富なガイドが教えてくれるので、やったことない人でも大丈夫。集合場所の公園センターからゲレンデまではスノーラフティングで上がり、ゲレンデからスタート地点まではスノーモービルorリフトで上がる。珍しい乗り物じゃん!そこから頂上(折り返し地点)までちょっとだけ登ってあとは公園センターまで下る。楽じゃん!これなら運動音痴の自分でも大丈夫!!
芸備線・臨時快速「備後落合リレー号」
備後落合駅というのは広島県と島根県の県境付近の山の中にある。芸備線と木次線の連絡駅で、列車の本数が少ないので“秘境駅”などと言われている。本数の少なさゆえ広島駅からだと始発で行っても14時過ぎの到着なのだが、現在芸備線再構築協議会の実証事業で臨時列車が運行されており、この臨時列車に乗ればお昼前に到着できる。2025年11月からは「臨時快速 備後落合リレー号」として三次〜備後落合で運行。(※1)
※1…2026年2月は毎週土曜日、3月は7日(土)・15日(日)・21日(土)・28日(土)に運行
| 2月 | https://www.westjr.co.jp/press/article/items/251028_00_press_geibisen_unkou.pdf |
| 3月 | https://www.westjr.co.jp/press/article/items/251219_00_press_geibisen_rinjiunkou_1.pdf |
で、この列車に連絡して、備後落合駅から「ひろしま県民の森スキー場」行きのバスが2月28日(土)までの期間限定で運行される。
帰りも備後落合17:14発の列車に間に合うように運行。
しかも往復とも無料。
| 芸備線再構築協議会(庄原市) 備後落合駅 ↔ひろしま県民の森 無料バス(期間限定) |
https://www.shobara-info.com/event/5459 |
当日は9:07広島発の芸備線「快速みよしライナー」で三次へ。5分の乗り換えで三次10:41発の臨時快速「備後落合リレー号」に乗った。途中、備後庄原からは各駅停車になる。ヒバゴンで有名な備後西城駅では、「ようこそ西城へ」という旗が掲げられ、西城町観光協会さんが手を振ってくださった。うれしい。次の比婆山駅は、地元の皆さんが手旗を振ってお出迎え。モールで飾られた手作り横断幕には「大好き 比婆山駅・芸備線」「ありがとう 鉄道ファンの皆さん」これはぐっと来ます。涙が出そうになった。ありがとう!!車内からもみんなが手を振った。
段々と車窓から見える雪が多くなり、終点の備後落合駅は銀世界。元国鉄機関士で地元ボランティアガイドの永橋則夫さん83歳が出迎えてくれた。人気者の永橋さん、鉄道ファンから一緒の記念撮影を頼まれたりしている。「永橋さんこんにちは!今日はひろしま県民の森へ行きますよ」「おお、県民の森はええよ!皆さん行ってらっしゃい」無料バスを見送ってくださった。

▲芸備線再構築協議会(庄原市)が運行する期間限定無料バスが迎えに来てくれた
この日は私を含め7人がバスに乗り込み、全員がスノーシューハイクに参加。岡山県の新見駅からの臨時列車で来たグループや、私のように広島市内から来た人たちも。ひろしま県民の森に向かって段々と雪が多くなる。運転士さんは抜群に運転が上手い。除雪された道路の両脇の白い壁が段々と厚みと高さを増してくる。横の席の方が「自分で運転せずに来れるのは助かる〜」と話している。うんうん。20分ほどで白銀の!ひろしま県民の森スキー場に到着した。

▲ひろしま県民の森スキー場、公園センター前で下車
スノーシューの付け方から習う
| 「ひろしま県民の森」スノーシューハイク体験 | https://www.shobara-info.com/special//4886 |
おお〜雪雪。すごい。ガイドの田鍋さんと通称“船長”さん、主催の庄原DMOの堀江さんの3人が出迎えてくれた。

▲左から、ガイドの田鍋さん、船長さん、庄原DMOの堀江さん
「歩くと結構汗をかくんで、あまり着込まない方がいいですよ〜」というアドバイスで、ダウンコートの中に着ていたフリースとウールのシャツは脱いでリュックにしまった。ダウンの下は長袖Tシャツ一枚。ボトムスはワークマンの冬用作業ズボンで、その上に濡れても大丈夫なように上下の雨具の下だけ履いた。靴はハイカットのハイキングシューズで、ズボンの裾が濡れないようにスパッツ(靴の履き口とズボンのすき間に付けるカバー。ゲイターともいう)も付けた。こんな感じで、スキー用のウェアがなくても何とかなった。

▲やまもとの格好。真ん中の赤いダウンコート。ゴーグルとグローブはもらい物
ほぼ全員がスノーシュー初めて。付け方もわからん。
「左右を合わせて、つま先がここからちょっと出るように足を乗せます」
ベルトの留め方も習って、装着完了!

▲ガイドさんからスノーシューとストックを受け取る

▲スノーシュー。わらじがデカくなった感じの履き物
スノーシューを履き、ストックを両手に持って公園センターからゲレンデに向かう。一般の人は歩いて上がるのだが、この体験会はスノーラフティングに乗れる。ラフティングボートをスノーモービルで牽引する乗り物。

▲スノーラフティング
発進!うわ速い!右に左にカーブ&ドリフトしてぐんぐん進む、面白い!!!遊びに来ていたスキーヤーやスノーボーダーが笑顔で振り返り、子どもたちが手を振ってくれる。

▲スピード感満点でめっちゃおもろい!!!
ゲレンデからはスノーモービルに乗せてもらった。スイスイとあっという間にスタート地点へ。今回は人数が多いのでリフトで上がる人もいた。

▲スノーモービル。バイクみたいでカッコイイ!
幻想的な雪景色にうっとり
ハイク開始!折り返し地点の頂上までゲレンデの端を登り、途中から林の中を歩く。新雪の上だとスノーシューが10cmくらい沈むけど、ガイドさんによると、積雪深1メートルもあるらしい。えっ。それ普通の靴だったらズボーッってめっちゃ沈んでしまうじゃん。それが10cmほどで済むからサッサと歩ける。さすがスノーシュー。
「ここも歩いてみましょう!」
と、ガイドさん。かなり勾配がある木立の間。
「ここって登山道なんですか?」と聞くと、
「いいえ、登山道ではないんですが、雪が積もれば歩けるんですよ」
なるほど〜。スノーシューは足裏にアイゼンのような爪が付いているので、雪をしっかり捉えて急勾配でも滑らずに登れるのだ。これ、雪が無いときで、スノーシューじゃなかったら絶対登れないとこだよな〜。楽しい。

▲ゲレンデの端をガードされつつ歩く
歩いてると寒くないどころか、暑くて汗ばむ。確かに、フリースを脱いでおいて正解だった。この日は雪が降ってきて、あまり遠くは見晴らせなかったが、天候次第では折り返し地点からは遠い山々が見渡せて絶景スポットらしい。それでも森に粉砂糖をまぶしたような白い雪景色はメルヘンの世界のようでロマンチック。ひろしま県民の森スキー場の雪はサラッサラの粉雪で、風が吹くと木々の枝から雪が白い輝きになって、ふわあっと流れていく。妖精の魔法みたい。

▲折り返し地点付近からゲレンデを望む
「今日は時間が少し余るから、御陵へ行く途中まで歩いてみましょう」
と、ガイドさん。エクステンションコースだ。林の中を歩く。
ゲレンデから離れるにつれ、ゲレンデの音が届かなくなり、静けさが広がる。雪が音を吸収するためだそうだ。静かすぎて、サラサラと雪が降る音が聞こえる。ちょっと神秘の世界。

▲林の中をみんなで協力しながら歩く
林の中の大きな木の所で折り返す。ガイドさんが、
「もう少し時間があるときは、この先にある御陵まで行くといいですよ。神秘的なパワースポットなんです」
日本神話のイザナミノミコトが眠るといわれる比婆山御陵。春や秋に登ったことはあるが、雪の中の御陵はまた格別だろうな。

▲大きな木の下で記念撮影。ゴーグルの赤いダウンコートがやまもと
バスと列車で広島に帰る
のんびりと1時間くらい下って公園センターへ戻る。ガイドさん、ありがとうございました!ガイドの田鍋さんが、
「私はスノーボードの選手だったんですよ。スノーシューをきっかけに、雪に親しんでくれる人を増やしたくて、ガイドをしています」。
確かに、初めてだけど楽しかったな。ちょっと物足りないくらいで、また来たい。今度は下から雪の登山道を登るのはどうだろう?持って来たおやつを食べながらバスを待つ。帰りのバスは備後落合駅と東城駅のどちらかで、列車に間に合うように降ろしてくれる。

▲帰りのバスは公園センター前まで迎えに来てくれる
バスが備後落合駅に到着し、広島方面へ帰る4人が下車。知らない同士だったけど、一緒に歩いてなんとなく仲良くなった。
「みんな楽しかったかね!」。
ボランティアガイドの永橋さんが駅で出迎えてくれた。永橋さんはスキーのインストラクターをされていて、全日本スキー連盟の公認スキーパトロールでもある。そのユニフォームを着て帰りの列車を見送りに来てくれたのだ。
「すごく楽しかったです、また来たいですよ!」
「ははは、それは良かった」

▲開業90周年の横断幕が飾られた備後落合駅
ここから17:14発の三次行きに乗って、三次駅で広島行きに乗り換える。この日の三次行きは芸備線ラッピング列車「庄原さとやまトレイン」だ。可愛いヒバゴンやキョロやまくんのキャラクターがデザインされていて、皆のテンションが上がる。
雪が降り始めた。発車時刻となり、私たちを乗せた列車がゆっくり動き始めた。ホームから永橋さんが笑顔で手を振ってくれる。車内からも皆が手を振る。列車のエンジン音が段々と高くなり、雪の中の備後落合駅が遠ざかっていく。ホームの上で、永橋さんが小さくなってもずっと手を振っているのが見えた。
【問い合わせ】
| 無料バス | 庄原市生活福祉部地域交通課芸備線対策係(平日9:00~17:00)Tel.0824-73-1171 |
| スノーシューハイク | 主催/庄原DMO(一般社団法人 庄原観光推進機構) Tel.0824-75-0173 |
| ひろしま県民の森スキー場 | 広島県庄原市西城町油木156-14 Tel.0824-84-2020 ・第3リフト(平日9:00〜16:00、土日祝 8:30〜16:30) ・第2リフト(平日9:00〜15:45、土日祝 8:30〜16:15) |
やまもとのりこ[ローカル線鉄旅ライター]
ローカル線に乗って旅をするのが大好きなライター。そんな仲間を増やすべく、ローカル線沿線の観光ガイド本を手がけている。著書「中国地方ローカル線の旅ガイドブック」「ローカル線で行こう!鉄旅ガイド」HPは https://writer-norikoyamamoto.jimdofree.com
やまもとのりこの記事一覧関連記事
-
温鉄 観光・旅
温鉄!! ローカル線に乗って温泉に行こう! 第二回 そうだ山温泉&JR予土(よど)線(高知県)【後編】四万十川の清流と共に列車に揺られて
温泉をこよなく愛する温泉ソムリエ&フォトグラファー中野一行と、ローカル線に乗るのが大好きな鉄旅ライター・やまもとのりこの‟のんびり珍道中”。 第二回 そうだ山……
2022.02.24
-
温鉄 観光・旅
温鉄!! ローカル線に乗って温泉に行こう! 第二回 そうだ山温泉&JR予土(よど)線(高知県)【前編】弘法大師ゆかりの名湯で高知料理を堪能
温泉をこよなく愛する温泉ソムリエ&フォトグラファー中野一行と、ローカル線に乗るのが大好きな鉄旅ライター・やまもとのりこの‟のんびり珍道中”。 第二回 そうだ山……
2022.02.24
-
温鉄 観光・旅
温鉄!! ローカル線に乗って温泉に行こう! 第一回 そうづきょう温泉&錦川清流線(山口県)【後編】元湯・憩の家で100%天然温泉を堪能!
温泉をこよなく愛する温泉ソムリエ&フォトグラファー中野一行と、ローカル線に乗るのが大好きな鉄旅ライター・やまもとのりこの‟のんびり珍道中”。3回に分けて紹介しま……
2021.12.28
-
温鉄 観光・旅
温鉄!! ローカル線に乗って温泉に行こう! 第一回 そうづきょう温泉&錦川清流線(山口県)【中編】錦パレスでワーケーション&焚き火体験
温泉をこよなく愛する温泉ソムリエ&フォトグラファー中野一行と、ローカル線に乗るのが大好きな鉄旅ライター・やまもとのりこの‟のんびり珍道中”。3回に分けて紹介しま……
2021.12.28