
100万アクセスの前衛弁当作家・nancyの【思い出の絵本を弁当にしてみた】/#05『手ぶくろを買いに』
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前衛弁当作家のnancyです。
2021年を迎えて、もう1か月が経過しますね。
今年から読んでくださっている方、はじめまして。
このコラムでは、本棚にある絵本を一冊ずつ手に取りながら、
表紙の絵で弁当を作り、
過ぎてしまえば笑える子育ての思い出を綴っていきます。
『手ぶくろを買いに』
息子の「はじめてのおつかい」を思い出す。
買ったばかりの財布にお金を入れて、
小さな体に斜めがけにしたポシェットにしまう。
真剣な顔で私の言葉を聞いてはいるようには見えるけど、
きっと、気持ちはこれから始まる冒険に心弾ませて、わたしの言葉は右から左へ。
頷くけれど聞いちゃいない。生返事だ。
そんなわけで、
少し離れたところで待っていた私は、
スーパーの入口まで近づいてしまった。
当然、トラブルも起こりはしない。
それでも息子の姿が見えると、私は少し泣きそうになった。
それから十数年経って、
埼玉県の志木駅に息子を一人置いてきた。
7年前、息子は一人暮らしを始めたのだ。
よく考えてみれば
過酷な弱肉強食の自然界に放り込んだわけじゃないし、
当分暮らしに困らない準備をして置いてきたのだから、
ほぼ心配はない。
ところが、私の胸は張り裂けそうだった。
そう、最後の親離れの儀式は親だけが号泣。
息子は「悪いけど、すごくワクワクした」のだそうだ。
思い返してみれば
親離れの儀式は「はじめてのおつかい」から始まっていたように思う。
私の心配をよそに、息子は大概ワクワクで、
迷ったり、悩んだり、失敗もしながら、
自分の世界を広げ、
一人で生きていく力を身につけていった。
『手ぶくろを買いに』を読むとそれを実感する。
特に感動するのが母狐の賢さ。
毎回読んでは唸ってしまう。
私だったら、街はずれで待ってなどいられない。
寒さと心配でおかしくなりそうなので、
子狐の後をつけて帽子屋の様子を電柱の後ろで
ジーと見ていたはずだ。
ああ……目に浮かぶ。
<弁当解説>

1.鶏のひき肉、白だし、酒、生姜のすりおろしを火にかけ、鶏ののそぼろを作る。
2.ほうれん草を茹でて、水気を絞り細かく切って、顆粒だしを振りかけて混ぜる。
3.大根おろしの水気を絞り、電子レンジで30秒加熱。レモン汁少々をかけて混ぜる。
4.弁当箱にご飯を1/4の深さまで詰めて、その上に2を広げる。
5.さらにご飯を詰めて、1を平らに敷き詰める。
6.背景をオブラートに書き、5に貼る。
7.タイトルを書いたオブラートをととしーとに貼り、弁当にのせる。
8.3で狐の形を作り、醤油で着色する。黒ごまで目をつける。
9.あられを散らして出来上がり。
■弁当で再現した絵本■

冷たい雪で牡丹色になった子狐の手を見て、母狐は手袋を買ってやろうと思います。黒井 健の情感豊かな絵で表現された南吉の世界。(「偕成社」HPより引用)
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