ライフスタイル 2021/10/29

本を読む確かな幸せを届ける「こどもの本屋 えほんてなブル」の店主に聞いた「大人も読みたい子どもの本」を7点紹介

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子どもの笑い声が聞こえてく来る袋町公園の向かいに位置する「こどもの本屋 えほんてなブル」。

店の入ったビルの路面には、『どろんこハリー』のようなイラストが描かれた看板が立てかけられており、すでに愛くるしさでいっぱいだ。

ビルを入ってすぐの階段を上ると、子ども部屋の一室だとしたら最高の部屋であろう、壁にも、棚にもたっぷりの絵本と児童書が並んだお店が出迎えてくれる。

えほんてなブルは、1984年に広島で初めての児童書専門店としてオープンしたそう。

長い間、多くの子どもたちに支持されてきた作品を中心に、さまざまな児童書が並ぶ。

▲『てなぶる』の店主はご夫婦

児童書のほかにも、専門書・辞典など書籍全般幅広く取りそろえられており、家族で訪れた際には、みんなでほしい本を探すことができる。

書籍に造詣の深い店主に選書してもらえるのもうれしい。

世界中で愛される絵本や児童書の名作は、想像力を育み、新たな気づきや豊かな時間を与えてくれます。

今回、FLAG!webでは、子どものためだけではなく、子どもの心も持つ大人にも読んでもらいたい本が並ぶえほんてなブルさんに、大人も読みたい本を7点選書してもらいました。

 

1)『がちょうのペチューニア』
作;ロジャー・デュボワザン/訳;まつおか きょうこ/出版社;冨山房

「賢さとはどういうことなのか」に気づけるお話だと思います。気立ては良いけど、ドジなペチューニアが、本を拾うことで仲間たちと愉快なドタバタ劇を繰り広げます。「本を持ち、これに親しむものは賢くなる」のは何のために? ペチューニアは大切なことを楽しく気づかせてくれます。」

 

2)『ムギと王様―本の小べや1』『天国を出て行くー本の小べや2』
作;エリナー・ファージョン/訳;石井桃子/出版社;岩波書店

詩人であり作家であるファージョンの自選短編集です。彼女のみずみずしい感性に触れられる文章を「クマのプーさん」などの翻訳で有名な石井桃子さんの訳で楽しめるのが魅力です。豊かな想像力で紡がれるさまざまなお話は、物語の醍醐味を味わえます。

 

3)『注文の多い料理店』『風の又三郎』『銀河鉄道の夜』
作:宮沢 賢治/出版社:岩波書店

子どもの頃に賢治を「難しいな」と思っていた人も、大人になってから読んで、ストンと腑に落ちたということがあるんじゃないでしょうか。「あなたのすきとおったほんとうのたべもの」になることを願った賢治の作品をぜひ読んでみてください。私は、男と少年の心の交流を描いた「祭りの晩」というお話が好きです。

 

4)『最初の質問』
詩;長田弘/絵;いせ ひでこ/出版社;講談社

「今日、あなたは空を見上げましたか」素敵な質問から始まるこの絵本は、長田弘さんのやさしい言葉で語りかける詩をいせひでこさんの綺麗な絵が表現する一冊です。投げかけられる言葉にハッとしたり、自問自答したり、自分を振り返る時間を過ごすことができると思っています。最後のページが心に響く詩の絵本です。

 

5)『かわせみのマルタン』
文:リダ・フォシェ/絵:フェードル・ロジャンコフスキー/訳:いしい ももこ/出版社;童話館出版

動物の生態に忠実な絵本や科学に裏打ちされた絵本などで有名なフランスの「ペール・カストール アルバム」シリーズの一冊。本書は、かわせみの生態になぞらえて命の連鎖を美しく物語っています。お話の中心には、かわせみの夫婦の一生が据えられているので、結婚した二人への贈り物におすすめです。命のはかなさ、そして、また新たな命が芽生える喜びに、胸打たれると思います。

 

6)『天動説の絵本‐てんがうごいていたころのはなし‐』
作:安野光雅/出版社;福音館書店

昔、地球が宇宙の中心と信じられていた頃、「地面は丸い」と唱える学者は糾弾されていました。そんな天動説にまつわる悲しい背景や、人々が、地動説を手に入れるまでの過程が描かれている絵本です。ただ、知識を得るのではなく、いろいろ違う考えがあって、今は当たり前になっていることも、本当は違うかもしれないと、固定観念にとらわれず、しっかりと物事を見つめる大切さが説かれていると思います。

 

7)『わたしたちのたねまきーたねをめぐるいのちたちのおはなし』
文:キャスリン・O・ガルブレイス/絵:ウェンディ・アンダスン・ハルバリン/訳:梨木香歩/出版社;のら書店

植物の生態についての、単なる科学絵本と 思われるかもしれません。でも、私たちは地球で繰り返される自然の流れの中で、みんな一緒に種まきをして いて、自分も宇宙の一つのたねなのかもしれないという見方もできる一冊です。生を全うする大切さ、命の尊さを感じてください。

 

いかがでしたか。

初めて触れ合った本のことも、最後にいつ本を読んだのかも、覚えていない人もいるかもしれません。

でも、本を読むという行為は、確かに人間の情操的な部分を育んでくれます。

今回、選書していただいた本は、小さな子どもの頃にはわからなかったこと、大人になって忘れてしまったこと、心の琴線に触れるものとさまざまあります。

気になったものがあれば、ぜひ手にとって読んでみてください。

絵のあたたかみや文章のやさしさに触れる、豊かな時間になれば幸いです。

 

店名 こどもの本屋 えほんてなブル
住所 広島県広島市中区中町1-26 ヴェル袋町公園2F
営業時間 11:00〜18:00
定休日 月曜、第5日曜
お問い合わせ先 082-247-8920
HP https://ehontenabull.com/

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芝紗也加

芝紗也加[株式会社ザメディアジョン メディア関連事業部クリエイティブサポート]

高知県出身。冊子やリーフレット、パンフレット、広告などを企画。マリーナホップ発刊の情報誌『Aletra』、お好み焼アカデミーによる『お好み焼シンポジウム』プロジェクトなどを運営。映画、読書が趣味。最近は刺繍に目覚めたり、絵本講師になるため勉強中。

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