
酒まつりの日、西条を歩く。 この本は、エッセイであり、地図であり、そして旅の余韻そのものだ。—— 『くらくら西条』を読んで感じる西条のまち
- くらくら西条
- エッセイ
- 酒まつり
10月11日・12日に開催される「酒まつり」。
年に一度、広島・西条が最もにぎわうこの季節。
そんな日には、ただ“飲む”だけじゃなく、“まちを味わう”一冊を手にしてみたい。
清水浩司氏によるエッセイ『くらくら西条』は、
酒蔵をめぐりながら人と土地に酔っていく作家の目を通して、
“酒都・西条”の風景を描き出す本なのだ。
酒まつりで“西条を歩く”ための3つの視点
1. 蔵に宿る時間の層を感じる
賀茂鶴、亀齢、白牡丹、福美人――。
この本に登場する蔵の名は、いずれもまちの呼吸そのもの。
著者は、その煙突の下に流れる時間を見つめ、人の営みの中に“酒都”の魂を見いだしていく。
読むことで、ただの蔵めぐりが、時間を旅するような体験へと変わる。
2. 変わりゆくまちと、変わらないもの
白壁とレンガの蔵の隣に、コンビニやカフェが並ぶ。
“いまの西条”は、歴史と生活がゆるやかに混ざり合う場所。
著者はその風景の中に、過去と現在が共存する「生きているまち」の姿を見ている。
読むほどに、旅人の目がまちに馴染んでいく。
3. 帯ウラの「蔵あるきMAP」が、もう一枚の旅地図に
本の帯を外すと、裏には何とも味わい深い「蔵あるきMAP」。
蔵の位置を示すこの地図は、読み手をそのまま、まちへと誘う。
本を片手に歩けば、ページの言葉が風景と重なり、物語は続きのように流れ出す。

酔いながら、まちを知る
『くらくら西条』は、作家が日本酒を通して“土地と出会う”物語だ。
取材を重ねるうちに、知らなかったはずの西条が、少しずつ心に沁みてくる。
酒に酔うように、まちの空気に酔い、言葉に酔う。
酒まつりの日、西条を歩く人へ。
この本は、地図であり、エッセイであり、そして旅の余韻そのものだ。
ページを閉じても、あなたの中に、静かな酔いが残る。
くらくら西条
著者: 清水浩司
定価: 1,650円(本体1,500円+税10%)
判型: 四六判
ISBN: 978-4-86250-805-8
発売日: 2024年10月24日
この記事は2026年7月12日の情報です。
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