毎日が楽しみになる活力弁当! インスタ14万人フォロワーの寮母さんが作るガツンごはんが愛される理由
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安芸津。
広島在住の方でも知る人はさほど多くないであろう片田舎に、インスタグラムで安芸津の総人口をはるかに上回る14万人のフォロワーを集める寮母さんがいる。
その寮母の名「あきこ」さんがインスタグラムにアップしている弁当をまとめた著書『寮母あきこのガツンごはん』が、マガジンハウスから8月に発刊した。
超大手出版社がこんな片田舎でのんびりと幸せに暮らすあきこさんを捕まえて出版したという経緯が、地元版元としては悔しい限りですが、あきこさんにも本にも罪はない。
てか、めちゃいい本!
そんなわけで、今回は僕の故郷でもある安芸津在住のスーパー寮母・あきこさんに寮ご飯にかける思いや、発刊した感想などを聞いてきました。
東広島市安芸津町。公共交通アクセスはJR呉線「安芸津駅」を利用するか、JR西条駅から1日2便出ているバス程度だ。瀬戸内海に面し、町の背中には山々がそびえる、よくある海と山の田舎町だ。
あきこさんは、そんな町の造船所の寮母として勤務し、毎日寮生の皆さんに昼食と夕食を作っている。その料理の写真をインスタで投稿したところ、見た目の圧倒的な華やかさとボリューム感、そしてアイデアも満載だと話題になり、フォロワー数は14万人を超えた(10月11日現在)。
盛り付けは直前のひらめき 楽しく作る
生まれも育ちもずっと安芸津だというあきこさんは、髪を切ったばかりだというショートカットがよく似合うお姉さま。「目立つのが苦手なんです……」ということで、今回は顔出しはしませーーん! 悪しからず。どうしても田舎ですとね、歩いていると「あの人だ!」って指をさされやすいんですよね……わかります、うんうん。
ということで、文字のみでお楽しみください(笑)。
この仕事を初めて2年、以前は民宿で働いていたので、たくさんのご飯を作ることに抵抗はなかったという。
「働いている方が20~30代の働き盛りの男性が多いので、とにかく具をどんどん入れます。そうすると、お弁当からはみ出るぐらいにまでなっちゃうんです」
というように、お弁当はから揚げや生姜焼き、それにウィンナーや目玉焼きといった見た目にもうれしい具が、これでもかと詰まっている弁当は、見ているだけで仕事が頑張れそう!
それにしても、なんといってもこの大迫力で個性的な盛り付け!
インスタグラムでもこの盛り付け方に多くの反響があるようだが、盛り付けは直前にひらめくのだという。
「調理する直前のひらめきなんです。やっぱりたくさん食べてほしいから、具材をどんどんどんどん盛りに盛っていったら、弁当からはみ出る時もあって(笑)。
とにかく大胆に無造作に盛り付けていくのが好きです。見た目だとタコのウィンナーや玉子焼きあると、ちょっとうれしくなりませんか?(笑)
昼のお弁当は、蓋をしない”置き弁”なので、それも手伝って高さもありますね(笑)。丼ものも大胆に盛り付けちゃいます」
予算ギリギリでも料理の手間は省かない
とはいうものの、予算が限られているために毎日のやりくりは徹底している。
「火曜日が安いスーパーがあるので、そこでなるべく買うようにしています。買い出しはその週一回だけでまとめてドカッと(笑)。
私自身、余らすのが嫌いだから、購入時は結構考えながら食材を選んでいます」
毎日食べてもらうものだからこそ、高い食材よりおいしくて安い食材を探し、調理にも手間を惜しまない。それが、あきこ流のこだわり。
寮母という仕事は料理をすることだけではない。寮の掃除も日々の仕事だ。
しかし、どんなに忙しくても「(料理の)下ごしらえはしっかりとやります。これをやるやらないでは味に差がでちゃいますし、冷めてもおいしい弁当にするためには手間を省きません」
インスタでの声で「おいしそう!」「元気出そう」「仕事がんばれそう!」などの反響には「すごく励みになります!
作り置きなので食べてくださる従業員の方がどう思ってくださっているのかもわからなくて、どうしても孤独で(苦笑)。
インスタにアップしはじめたのは記録用でもあるし、実はどんな反応があるか知りたかったというのもあります。
みなさんのコメントを読まさせていただくと、料理は人を幸せにできるんだなと勝手に喜んでます!」
読み物として楽しめるレシピ本
今ではフォロワー14万人を超える人気アカウントに。8月27日には初めての著書『寮母あきこのガツンごはん』(マガジンハウス)を発刊した。
同書の魅力は、おいしそうな弁当の写真の数々はもちろん、それに対する文章も読みごたえがある。
おかずの作り方、味付け・盛り付けのテクニック、お弁当の詰め方など実際に真似できる情報が紹介されているほか、『食べる人が7人そろった時にいつかやろうと思っていたドラゴンボール弁当』『芸能人の不倫騒動でグレーが話題だった時に、白ごまと黒ごまで作ったおにぎり』(一部、本文より抜粋)などなど、レシピのひらめき方のエピソードが読み物としておもしろい。
本書のために書き直したようだが「書いているうちに、自分でもこんなに考えて作っていたんだなぁと、気づきがいっぱいありました(笑)」というように、写真と共にエピソードが楽しめるレシピ本だ。
『あきこの寮ごはんがおいしい理由』は、大きく分けて6つの理由があることが、本書を読めばわかるのです。その6つ+1に「池田さん」という理由が、個人的にはツボでした。
「今後は料理も新しいジャンルに挑戦していきたいです。それから、引き続き広島の美味しいものをお弁当に取り入れて、紹介し続けてたいです」
■プロフィール■
あきこ
生まれも育ちも、広島県東広島市安芸津。高校卒業後、いくつかの仕事を経てパン屋に入り、職人としてパンを作る。その後、まったく違う仕事がしたくなり、旅館兼寿司屋で働くように。ここの「大将」から教わった調理の心構えや味付けの基本が、いまの仕事に役立っている。2年半前、たまたま見た求人に応募して採用され、造船関係の会社の寮の寮母に。丘の中腹にある白い一軒家に、夫と猫と暮らす。38歳(同書より引用)
Instagram:@akiko.0301
ブログ:https://ameblo.jp/19820301aki/entrylist.html
Amazon|寮母あきこのガツンごはん
堀友良平[株式会社ザメディアジョンプレス 企画出版編集・FLAG!web編集長]
東京都出身。学研⇒ザメディアジョンプレス。企画出版、SNS、冊子などの編集担当。書籍「古民家カフェ&レストラン広島」などのグルメ観光系や、「川栄李奈、酒都・西条へ」などのエンタメ系なども制作。学研BOMB編集部時にグラビアの深さを知りカメラに夢中
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