広島の「当たり前」から考える終活。家族と話すきっかけになる『広島式たちまち終活』
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終活と聞くと、遺言書や相続、お墓の準備など、少し難しいことを思い浮かべるかもしれません。
けれど、終活は亡くなったあとのことだけを考えるものではありません。これからの暮らしや、もしものときにどうしたいか。
自分の思いを整理し、家族や大切な人と話しておくことも、終活の大切な一歩です。
そんな終活を、広島ならではの風習や暮らしから考えるのが、赤川直美さんの著書『広島式たちまち終活』です。
広島の風習を知ると、自分の家のことが見えてくる
盆灯籠、広島仏壇、茶の子、安芸門徒の習慣。
地域に根づいた風習は、普段あまり意識することがないかもしれません。
しかし、葬儀やお墓、供養のあり方は、地域や家庭によって異なります。
同じ広島県内でも、安芸と備後など、地域によって違いが見られることがあります。
自分にとっては当たり前の習慣でも、ほかの地域では違う。
反対に、家族の中でも、世代によって考え方が変わっているかもしれません。
本書では、こうした広島ならではの風習を手がかりに、終活について考えていきます。
大切なのは、「広島ではこうする」と知ることだけではありません。
「うちではどうしてきたんだろう?」
「これからは、どうしたいんだろう?」
そんな問いを、自分の家に向けてみることです。
終活は、お墓や葬儀の話だけではない
終活で考えておきたいことは、葬儀やお墓に限りません。
実家や農地をどうするか。
病気や介護が必要になったとき、どんな医療やケアを望むのか。
運転免許を返納したあと、どう暮らしていくのか。
相続やデジタル遺品をどう整理するのか。
どれも、いつか考えなければと思いながら、つい後回しにしてしまいがちなテーマです。
けれど、いざというときに、本人の希望がわからなければ、家族が判断に迷うこともあります。
すべてを一度に決める必要はありません。まずは、自分が何を大切にしたいのかを考えてみる。そして、話せることから家族に伝えてみる。
本書は、身近な暮らしの問題から、これからの自分と家族について考えるきっかけをつくってくれます。
「ひとりでせんでもええ」。誰かと話すことから始めよう
終活という言葉には、「自分で準備を整えなければ」という印象があるかもしれません。
しかし、家族に相談する。
詳しい人に尋ねる。
必要なときには誰かを頼る。
そうしたことも、終活を進めるうえで大切です。
本書を読んで気になったことがあれば、家族に話してみるのもいいでしょう。
「うちのお墓はどうなっとるん?」
「もしものとき、どうしてほしい?」
「実家のこと、そろそろ考えてみようか」
そんな何気ない会話が、終活の始まりになるかもしれません。
——「終活は、ひとりでせんでもええ。誰かに頼ってええんよ」
広島の風習や暮らしを入り口に、家族とこれからのことを話してみる。『広島式たちまち終活』は、その最初の一歩を後押しする一冊です。
著者
赤川 直美(あかがわ・なおみ)
社会デザイン学修士、終活講師、エンディングノート専門家
特定非営利活動法人エンディングノート普及協会理事長
2013年エンディングノート普及協会、2014年日本終活サポート協会を設立、2017年NPO法人化し理事長に就任し現職。本家の長男の一人っ子ながら本家の長男の嫁となり、これまでに延命治療をする看取り、しない看取りを4度経験。4人の子育てと実家の認知症の母と在宅酸素療法の父の遠距離・ワンオペ介護に奔走しながら、自らも実家の墓じまい、家じまいを実践中。立教大学大学院社会デザイン研究科では、エンディングノートの価値と可能性について研究。