エンタメ PR 2023/05/16

映画『怪物』6月2日(公開)――「怪物は一体誰なのか」 監督・是枝裕和、脚本・坂元裕二、音楽・坂本龍一 日本映画界を代表するクリエイターの才能が集結

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《予告編》

憧れの存在だった監督と
共同作業を熱望された脚本家

社会問題に目を向け、さまざまな家族の形を映し出してきた『万引き家族』(2018年)や『ベイビー・ブローカー』(2022年)の是枝裕和が監督を務め、『花束みたいな恋をした』(2021年)やテレビドラマ『大豆田とわ子と三人の元夫』(2021年/フジテレビ系)など、話題のヒット作を次々と生み出す稀代のストーリーテラー・坂元裕二が脚本を書いた映画『怪物』が、6月2日(金)に全国公開となる。

メディアなどに対して「脚本家と組んで映画を作るなら坂元裕二」と必ず答えてきた是枝監督。一方で「持っているものを見て真似して手に入れたくなる」、そんな憧れや羨望のまなざしを是枝監督に向けていた坂元裕二。企画・プロデュースを務める川村元気と山田兼司の働きかけもあって、映画製作が実現した。そんな日本映画界史上最も心踊る監督と脚本家が初タッグを組んだ本作の音楽を担当するのは、日本が世界に誇る坂本龍一。奇跡のコラボレーションが結実した。

人々は「怪物」探しの果てに何を見るのか
心揺さぶられる圧巻のヒューマンドラマ

物語の舞台は、大きな湖がある郊外の静かな町。それは、学校でよくある子ども同士のケンカに見えた。子どもが先生から暴力を振るわれたと訴えを起こすシングルマザー、反論する教師、逃げる学校、次第に様子がおかしくなっていく息子と、何か秘密を持つ子どもたち。彼らの食い違う主張はやがて社会やメディアを巻き込み、大事になっていくが……。そんな、ある嵐の朝、子どもたちは忽然と姿を消した――。

「事実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」というニーチェの言葉がある。過ごしてきた環境や求める理想、「幸せの形」がそれぞれ異なっているからこそ、皆自身の信じたいものを信じようとする。親、教師、子どもたち。日常の小さな歪みを起点に、登場人物たちの思いは錯綜し、物語は圧巻のラストへ向かっていく。「怪物」とは何か。「怪物」探しの果てに、私たちは何を見るのか。

新星から実力派まで
多彩なキャストが集結

出演は、『万引き家族』直後にオファーがあったという安藤サクラや、坂元裕二が当て書きした役を演じる永山瑛太、唯一無二の空気感をまとい存在感を放つ田中裕子など、観る者を圧倒する実力派俳優がそろう。そして物語の核を担う二人の少年を瑞々しく、かつ情感豊かに演じる新星・黒川想矢と柊木陽太のほか、高畑充希、角田晃広、中村獅童といった豪華なキャストが名を連ねる。

映画『怪物』は、第76回カンヌ国際映画祭(2023年)のコンペティション部門に正式出品が決定している。是枝裕和にとっては『ベイビー・ブローカー』以来2年連続、7回目の選出となる。

トップクリエイターとキャストによる、映画『怪物』は八丁座ほか、全国でロードショー。

<八丁座 上映スケジュール>
https://johakyu.co.jp/schedule/month.html

<『怪物』公式HP>
https://gaga.ne.jp/kaibutsu-movie/

<ストーリー>

ある嵐の朝、子供たちが姿を消した――。

その町は、山を背後に大きく澄んだ湖を望む郊外に位置していた。数年前には、市の合併の影響から町の中を通っていた路線が廃線となり、錆びた線路と緑に覆われた駅が打ち棄てられ、それもすっかり馴染んでいた。ある夜、自宅のベランダから雑居ビルの火災を見ていた麦野早織(安藤サクラ)は、「豚の脳を移植した人間は? 人間? 豚?」と、11歳になる息子の湊(黒川想矢)から奇妙な質問をされて戸惑う。担任の保利先生(永山瑛太)が、そういう研究があると話したという。夫を事故で亡くしてから湊と二人で暮らす早織は、スニーカーの片方がなくなったり、水筒から泥水が出てきたりする近頃の湊が気がかりだった。

ある夜、早織が帰りの遅い湊を車で捜し回ると、廃線跡の暗いトンネルの中にいた。湊はまるで誰かと待ち合わせているかのように、スマホの懐中電灯の光をかざし、「かいぶつ、だーーれだ」と呼び掛けていた。早織の車に乗り込んだ湊は走行中に突然、ドアを開けて外へ飛び降りる。幸い軽い怪我で済み、脳のCT検査も異常はなかったが、湊は「湊の脳は豚の脳と入れ替えられた」と保利先生に言われたと涙ぐむ。

翌日、早織は伏見校長(田中裕子)に、湊が保利からモラハラを受け、挙句の果てに殴られたと訴える。校長はメモを取るがどこか気もそぞろで、教頭の正田(角田晃広)と学年主任の品川が現れると帰って行く。教頭は憮然とする早織に、校長は先日まだ幼い孫を亡くし、その用件でと説明する。

1日経って学校から呼ばれた早織は、保利の謝罪を受ける。だが、保利は明らかに嫌々という態度で、「誤解を生むことになって残念だ」と述べる。早織は誤解ではなく事実だと詰め寄るが、校長も暴力ではなく「教員の手と麦野君の鼻の接触があった」と報告書を読み上げる。

数日経っても沈んだままの湊を見て、早織は再び保利と対峙する。すると保利は早織に「あなたの息子さん、イジメやってますよ。家にナイフとか凶器とか持ってたりしません?」と言い放つ。早織は怒りに震えながら帰宅するが、湊が着火ライターを持っているのを見つけ不安に駆られる。思い切って湊がイジメているという星川依里(柊木陽太)を訪ねると、星川の腕には火傷の跡があった。だが、星川は校長たちに、湊にイジメられたことはないと証言し、さらに保利が湊を叩いていると告げる。

数日後、小学校の集会室に保護者が集められ、保利が暴力を認めて謝罪し、地方新聞でも大々的に報じられる。すべては幕を下ろした──早織は、そう思っていた。

ところが、巨大な台風が近づく朝、突然湊が姿を消す──。

<製作>
東宝、フジテレビジョン、ギャガ、AOI Pro.、分福

<配給>
東宝、ギャガ

<スタッフ・キャスト>
監督・編集:是枝裕和(『万引き家族』)
脚本:坂元裕二(『花束みたいな恋をした』)
音楽:坂本龍一(『レヴェナント:蘇えりし者』)
企画・プロデュース:川村元気 山田兼司
出演:安藤サクラ 永山瑛太 黒川想矢 柊木陽太
高畑充希 角田晃広 中村獅童/田中裕子

<ノベライズが発売中>
小説『怪物』が映画公開前の5月8日(月)に発売された。是枝裕和監督の『そして父になる』(2013年)や『三度目の殺人』(2017年)を小説化した作家・佐野晶が手掛ける。

 


芝紗也加

芝紗也加[株式会社ザメディアジョン メディア関連事業部クリエイティブサポート]

高知県出身。冊子やリーフレット、パンフレット、広告などを企画。マリーナホップ発刊の情報誌『Aletra』、お好み焼アカデミーによる『お好み焼シンポジウム』プロジェクトなどを運営。映画、読書が趣味。最近は刺繍に目覚めたり、絵本講師になるため勉強中。

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