作り手の愛があふれる「リトルプレス」は新しいカルチャー 11月28日にリトルプレス集結【広島蔦屋書店】
「リトルプレス」という言葉を聞いたことがありますか?
簡単にいえば、個人や少人数のメンバーで誌面を制作し、製本から流通まですべて自分たちで手掛ける雑誌や冊子のことを言います。
ゆえに個性的で、趣味が爆発したマニアックなものや、あふれんばかりの「愛」が詰まったものが多く、中には根強いファンを持つ雑誌もあるのです。
個人的に好きなのはたくさんあるのですが、挙げるとしたら『月刊ビル』と『鶴と亀』。
どちらもリトルプレス界では超有名な雑誌です。
『月刊ビル』は大阪に拠点を置くビルマニアカフェことBMCが発行していて、大阪を中心に古いビルをあらゆる角度、切り口で紹介しているんですけど、とにかく〝ビル愛〟がすさまじいのです。
建物をこんな言葉やレイアウトで表現するのかと、感心してしまうほど。
そして『鶴と亀』の主役は、おじいちゃんやおばあちゃん。「地方でしか出来ないものを、ここ地方から発信。地方はおもしろくない。もう、そんな時代じゃない」をコンセプトに、田舎のストリートカルチャーという見せ方で、都会にはない田舎の魅力を発信しています。
例えばおばあちゃんやおじいちゃんが実際に持ち歩いている薬を掲載するページなんて、ストリート雑誌の「あなたのカバンの中、見せて!」的なコーナーそのもの。
MA-1を着たおじいちゃんが、オレンジ色の裏地をはためかせながらカブに乗っている姿の写真がめちゃくちゃファンキーだったり。
田舎でしかなかなか見られない生活が、ある種のストリートカルチャーなんです。
一冊を通して編集者のおじいちゃんやおばあちゃんへの“愛”を感じます。
読んでいておもしろいし、新しい発見や気づきがあるのですよ。
広島蔦屋書店でリトルプレス博を開催!
リトルプレスは、いわゆる大手出版社が利益を得るために出版する「企画出版」「商業出版」とは違い、利益度外視で、作り手の思いや衝動をそのままに表現した自費出版物であること。
それがいちばんの魅力です。
今はSNSで誰でも情報発信できる時代ですが、やはり思いあふれる情報を編纂者があらゆる見せ方で紙に落とし込んだ物体は、特別な存在だと思うのです。
そんなリトルプレスが一堂に会したイベントが、広島蔦屋書店で11月28日(日)に開催。
この機会に「あなたの知らない世界」を覗いてみてほしい。
堀友良平[株式会社ザメディアジョン 出版編集・FLAG!web編集]
東京都出身。学研⇒ザメディアジョン。出版、SNS、冊子などの編集担当。書籍「古民家カフェ&レストラン広島」などのグルメ観光系や、「川栄李奈、酒都・西条へ」などエンタメ系なども制作。学研BOMB編集部時にグラビアの深さを知りカメラに夢中。
堀友良平の記事一覧関連記事
-
イベント 観光・旅 グルメ PR
【12月19日(金)まで】広島の人気飲食店&おみやげ店を巡る「広島うまいもんラリー」が開催中!
広島の人気飲食店&おみやげ店を巡る「広島うまいもんラリー」が開催中! お好み焼き、牡蠣料理、アナゴ飯など、ジャンル豊富な全10店舗で食事やお買い物をすると……
2025.10.21
-
イベント
【11月3日(月・祝)】『本屋の未来を、なぜか僕らが考えてみた』発売記念イベント開催 ──本屋の未来を、なぜか、本気で考えてみた
本をめくると、街の姿が少し変わって見える。 そんな体験をくれる新刊『本屋の未来を、なぜか僕らが考えてみた』(ザメディアジョン刊)の発売を記念して、著者の坂上俊……
2025.10.21
-
イベント
食べるアート!?前衛弁当作家・nancyが魅せる「ミュシャ ムシャ展」
弁当で世界観をまるごと表現 アートの世界って、実は身近なものでも楽しめるって知ってました?広島を拠点に活動する前衛弁当作家・nancy(ナンシー)さんは、弁当……
2025.08.28
-
イベント
<イベントは終了しました>本がもっと好きになる 本と人をつなぐ「ひろしまブックフェス」開催中
本好きが集う春の祭典 広島の中心部・紙屋町シャレオで、「ひろしまブックフェス」が今年も開催中です。昨年の初開催で話題を呼んだこのイベントは、今年で2回目。新刊……
2025.04.08


