観光・旅 2019/07/11

大崎上島で気づかされること【広島で暮らすように旅する】

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広島の中山間地域、いわゆる「里山」に暮らす若きチャレンジャーたちだから知っている地域の魅力を、そっと伝える。
そんなローカルガイドに会いに行く、ディープな旅を紹介します。

ここ8年で世界中から約150人が移住。なぜこれだけの人が? そこには島の人が守り続けたやさしさと、つながりがあります。

そこは、大崎上島。

【案内人】
松本幸一さん
大崎上島町生まれ。島に移住したい若者の拠点として「山尻シェアハウス」を2014年から運営。町のイベント運営からコミュニティづくりまで、大崎上島を中心に活動している。趣味は卓球と料理。

希望を感じれるようになる島へ、ようこそ。

大崎上島は島の外周が約40km、人口8,500人ほどの橋のかからない離島で、近隣の町から船を使ってしか来ることはできません。レモンなどの柑橘栽培と造船が盛んなこの島で、私は生まれました。

2014年、「山尻シェアハウスChikara」を始めたキッカケは、高齢化が進み若者がいなくなった集落に希望を灯したかったからです。開業から4年、シェアハウスは大崎上島に移住したい若者が、家を
見つけるまでの一時滞在拠点として使われてきました。

2014年から山尻集落で島に若者を呼びこむために始めた山尻シェアハウス

そんな島で生活するうえで誰しもが仕事を作る必要があります。大抵の場合、島の人たちにバイトをさせてもらったり、仕事をもらったりして島の方々と接することになるのですが、島という自然と共に生きるしかない環境は決して自分自身の思うようになりません。島の人たちは、そのことを知っているからでこそ、心に強さとやさしさを持っていて、彼らと仕事を通じて接するなかで、自分の人生は自ら選択しているようにみえても、実は自分の人生は何かの一部のような感覚になってきます。「こう生きたい」と思っていた人生が、何かの流れに身を任せることで、思い描いていた以上の笑顔に出合える人生があることを、島の人たちは気づかせてくれます。

「木江十七祭」に合わせて毎年開催するサイクリングイベント「大崎上島HAPPYライド」

移住した若者たちがつくり上げた大崎上島観光案内所。観光客だけなく島の人たちも訪れ、自然と対話が生まれる

<案内したい場所>

大切なコトを思い出せるゲストハウス

大崎上島の木江港から徒歩1分。木江宿 庭火は、かつての潮待ちの港にあります。宿では、出会った島の人や旅人とお互いの暮らしのことについて語り、やわらかな光に包まれる寝室は、ゆっくりした自分だけの時間も楽しめます。訪れた人が少しだけ、心温かくなって帰ってもらえる宿です。

施設名 ゲストハウス“木江宿 庭火”(ゲストハウス きのえしゅく にわび)
住所 広島県豊田郡大崎上島町木江242(Googleマップはこちら)
営業 080-3742-5649(予約受付9:00~21:00)
※時間外でもHPのメールフォームから予約可 ※電話予約は2週間前から)
定休日 なし
HP https://niwabi-hostel.jp/

 

風待ちの観光案内所

2017年から始まった大崎上島町観光案内所。移住した若者たちが立ち上げ、旅人だけでなく地域の子どもから大人までが訪れ、温かい空気感に包まれる案内所です。「どこから来たの?」「何しにきたの?」島の人たちやスタッフと会話するなかで、自然と私がどこに向かおうとしているか導いてくれる不思議な案内所です。最近ではオリジナルグッスも人気。

施設名 大崎上島町観光案内所(おおさきかみじまかんこうあんないじょ)
住所 広島県豊田郡大崎上島町東野6625-61(Googleマップはこちら)
電話 0846-65-3455
営業 9:00~18:00
定休日 正月1、2、3日のみ
HP http://osakikamijima-kanko.moon.bindcloud.jp/navi/index.html

 

瀬戸内の叡智を食卓に届ける

親子4代にわたり、昔ながらの杉の木桶で醤油づくりを行う岡本醤油醸造場。30個の桶が並ぶ蔵の光景は圧巻です。案内してくれる岡本家の皆さんからは醤油づくりに対する愛と、それを仕事にしてきた誇りを感じ取ることができます。島の食卓を支え、瀬戸内の食文化を今に伝える醤油づくりは、私たちのアイデンティティを思い出させてくれます。

施設名 岡本醤油醸造場(おかもとしょうゆじょうぞうしょ)
住所 広島県豊田郡大崎上島町東野2577(Googleマップはこちら)
電話 0846-65-2041
営業 9:00~16:00
定休日 日曜、祝日
HP http://okamoto-shoyu.com/

 

地球の鼓動を感じる展望台

山頂から中四国山脈と、115の島々が一望できる標高452メートルの神峰山。海・山・里が一望できる景色は、かつて宮島の神様が社殿を構えようか迷ったといわれる絶景。瀬戸内の人たちが二千年守り続けてきた景色に、壮大な時間の流れを感じることができます。山頂付近の石鎚神社でおみくじを引いて、観音堂で鐘をならすのが島流。

名称 神峰山山頂(かんのみねやまさんちょう)
住所 広島県豊田郡大崎上島町中野(Googleマップはこちら)
電話 0846-65-3455(大崎上島観光協会)
営業 夕方以降はイノシシ出没につき注意

 

島のやさしさがつまったお好み焼店

島のなかで一番歴史がある「お好み焼き上杉」は、かつて大分から嫁いで島に来たすみえちゃんが焼く島の味。お姑さんから引き継いだ飲食業を「実は、一番やりたくない仕事だったの」と、笑いながら話す彼女の周りには、不思議とたくさんの笑顔が集まってきます。カウンターの鉄板で焼くお好み焼は、体も心も温めてくれる隠れ家的なお店です。

店名 お好み焼き 上杉(おこのみやき うえすぎ)
住所 広島県豊田郡大崎上島町木江5066-1(Googleマップはこちら)
電話 0846-62-0739
営業 11:00~18:00
定休日 日曜

 

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堀友良平

堀友良平[株式会社ザメディアジョンプレス 企画出版編集・FLAG!web編集長]

東京都出身。学研⇒ザメディアジョンプレス。企画出版、SNS、冊子などの編集担当。書籍「古民家カフェ&レストラン広島」などのグルメ観光系や、「川栄李奈、酒都・西条へ」などのエンタメ系なども制作。学研BOMB編集部時にグラビアの深さを知りカメラに夢中

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