
高いコミュ力が必要 新人薬剤師がぶつかる最初の壁【書籍『薬剤師に求められる大切なこと 入門編』より#03】
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これまで個人経営の薬局、中規模薬局、大規模薬局と数々の薬局での勤務経験がある現役の薬剤師、宮本誠二さんが明かす新人薬剤師がぶつかる最初の大きな壁とは? 「薬剤師として働くためのマニュアル」を綴った著書『薬剤師に求められる大切なこと』より、一部抜粋してお届けします。(全3回の3回目)
コミュニケーションが大事 患者さんを前に決してやってはいけないこと
薬剤師は患者さんに対して服薬指導が義務付けられていますが、それは言い換えれば必ず患者さんとコミュニケーションを交わす機会があるということです。
それを上手に行うために、ここでは「決してやってはいけないこと」を箇条書きで挙げていきます。
新人薬剤師の人は、まずこれらのことを気に留めて服薬指導に向き合うようにしましょう。
① 患者さんの質問から逃げない
「今こういう薬を飲んでるんですけど、これと一緒に飲んでもいいですか?」「病院の先生からはこれを飲むように言われたんですけど、おなかの調子が悪いので飲むのをや
めてもいいですか?」……という質問が多々あります。
薬剤師は患者さんからさまざまな質問を寄せられます。薬に関する質問はもちろん、お医者さんに聞けなかったことを改めて尋ねられるケースもあります。
もちろん自分が答えられる内容なら、しっかりと答えてあげるべきです。
ただし新人薬剤師である場合、それが自分の知らない知見である場合も少なくありません。
自分が知らない質問を受けた時はどう対応すればいいか?
一番やってはいけないのは「分からないのでお医者さんに聞いてください」など、質問から逃げることです。せっかく患者さんが勇気を出して質問しているのに、その質問
から逃げてしまうようでは、信頼関係など到底作れません。
確かに「分かりません」と認めるのは恥ずかしいことかもしれません。
しかし、自らの無知を患者さんに押し付けるのは、薬剤師としてもっと恥ずかしいことです。
もしも自分では答えられない質問を受けた場合は「少々お待ちください」と伝え、素直に先輩に教えを請いましょう。
そして、その先輩の答えを覚えて、次に聞かれた時は必ず自分で答えられるようにしましょう。
こうした繰り返しが、あなたを薬剤師として成長させてくれるはずです。
② 知ったかぶりをしない
患者さんから自分の知らない質問を受けた時、答えをごまかしてしまうことはよくありませんが、それよりもよくないのは知ったかぶりで返答してしまうことです。
よく知りもしないのに適当に答えること、間違っているかもしれない知識を伝えること、それは薬剤師として最もやってはいけないことです。
改めて言うまでもありませんが、薬は人の生死に関わるものです。
それを適当に扱うことで、もしも患者さんの身に何か起こったら……あなたはもちろん、あなたの勤める薬局自体も二度と信頼してもらえなくなることでしょう。
薬剤師というのは、とにかく安全に、正確に、というのが一番重要です。
たとえ一〇〇回のうち九九回成功しても、たった一回失敗しただけで〝失格〞の烙印を押されてしまう厳しい職業です。
では、患者さんから即答できない質問を受けた時はどうすればいいのでしょう?
その時は素直に「少々お待ちください」と言って専門書をめくり、その答えが書いてあるところを探して患者さんに提示しましょう。
またはインターネットで調べて、正確な答えを見つけて、それをお伝えしましょう。
質問にすぐに答えられないのは恥ずかしいかもしれませんが、それでも患者さんは正しい答えを見つけるため、真摯に質問に向き合う姿勢を認めてくれるはずです。
その仕事に対する誠実さこそ、薬剤師にとって最も重要なことだと私は思います。
もちろん調べものに時間がかかりそうな時は、患者さんが時間に余裕がある方かどうかを確認することも忘れないようにしましょう。
③ 一方的にしゃべり続けないこと
薬の知識に自信のある薬剤師が陥りがちなのが、患者さんを無視して一方的にしゃべり続けてしまうことです。
自分の知識をひけらかしたいのか、相手にしゃべる隙を与えたくないのか、一方的にしゃべって患者さんを閉口させてしまう人が結構います。
薬局はあなたが自慢をする場ではなく、患者さんの疑問に答える場です。
コミュニケーションは常に双方向であることが基本です。
改めて「自分の服薬指導は、患者さんが納得してくれる説明になっているか?」ということを自分の胸に問い掛けてみましょう。
④ 「こうしなさい」という命令口調は厳禁
薬剤師が気を付けなければいけないのは、自分の意見と医師の意見が異なることで患者さんを混乱させてしまうことです。
たとえば病院側が「この薬を飲みなさい」という指示を出し、患者側が「飲みたくない」と思っている場合、薬剤師に意見が求められることがあります。
その時、いくらそう思っていても、あなたが「飲まなくていいですよ」と言ってしまえば医師の意見を否定することになります。
やはりここは「気になる症状があって受診されていますし、飲んでおいた方が安心ですね」などの表現で、医師の診断を尊重することが賢明です。
薬剤師というのは、みなさんが思うより大きな影響力を持っているものです。
あなたが不用意に「こうだ」と言ったことは患者さんにとって真実になりますし、「こうした方がいいですよ」という言葉も絶対的命令になってしまう可能性があります。
薬剤師は自分の言葉に責任を持たなければなりません。
薬に関する知識はもちろん大事ですが、それを誤解を招かないよう患者さんに伝え、正確に理解してもらうまでが仕事です。
ですから薬剤師の方は〝伝える〞ということを大切に考えてください。
患者さんに真実を伝えるための道具である〝言葉〞に、もっともっと神経を払うようにしてください。
患者さんとのコミュニケーションにマニュアルは存在しません。
愛嬌や気遣いなど、さまざまな技術を用いて経験を重ねていきましょう。
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【著者プロフィール】
宮本誠二(みやもと・せいじ)
大阪薬科大学卒業。株式会社MSファーマシーを設立。代表取締役に就任。
<取得資格>
薬日本堂、漢方認定アドバイザー・漢方養生指導士
上海中医薬大学付属日本校入校、国際中医師取得
第1回薬剤師生涯学習達成度試験合格
JPALSレベル6
薬剤師研修センター認定薬剤師、JPALS認定薬剤師
認定実務実習指導薬剤師
大塚製薬、OHTHAS女性のための健康アドバイザー等
健康サポート薬局研修済み
専門分野別学識試験 腎臓病薬物療法 合格
専門分野別学識試験 緩和医療薬学 合格
『薬剤師に求められる大切なこと【入門編】』
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