【映画情報】『記者たち~衝撃と畏怖(いふ)の真実~』
- 映画
仕組まれたイラク戦争
その真実を追い続けた記者たちのゆるぎない信念の物語
世界中で愛される青春映画の名作『スタンド・バイ・ミー』などで知られるロブ・ライナー監督の話題の最新作が、いよいよ広島でも公開となった。
舞台となるのはアメリカのとある新聞社。のちにイラク戦争を始めた大義名分が、アメリカ政府によるねつ造であることを暴いた記者たちを描く、実話に基づいた作品だ。
戦争をしたい一部の権力者たちによって築き上げられたウソ。大手メディアをはじめ、国全体、そして世界中が騙され、戦争へと向かっていく様子には恐怖を覚える。
そんな状況に疑問を抱き、周りにどれだけ馬鹿にされようと、「真実を伝える」という記者としての使命感とプライドをかけて真実を追求し、権力と戦い続ける彼らの姿はとにかくかっこいい。中でも「我々は子どもを戦場に送る親たちの味方だ」と、ライナー監督自らが演じる編集局長が熱弁するシーンには胸を打たれるものがる。また、トミー・リー・ジョーンズが演じる伝説の記者とのやり取りも圧巻だ。
フェイクニュースという言葉がトレンドになり、社会問題にもなっている現代。そんな今だからこそ、あふれる情報とどう向き合い、正しい情報をどのように見極めていくか。さらに自分の信念をどう貫いていくのかを考える、良いきっかけにもなる作品だろう。
ニュースをわかりやすく解説してくれる、当時、現役のNHK記者とて活躍していた池上彰さんが監修する字幕にも注目したい。
【STORY】
2002年、ジョージ・W・ブッシュ大統領は「大量破壊兵器保持」を理由に、イラク侵攻に踏み切ろうとしていた。新聞社ナイト・リッダーのワシントン支局長ジョン・ウォルコットは部下のジョナサン・ランデー、ウォーレン・ストロベル、そして元従軍記者でジャーナリストのジョー・ギャロウェイに取材を指示、しかし、破壊兵器の証拠は見つからず、やがて政府のねつ造、情報操作であることを突き止めた。真実を伝えるために批判記事を世に送り出していく4人だが、NYタイムズ、ワシントンポストなどの大手新聞社は政府の方針を追認、ナイト・リッダーはかつてないほど愛国心が高まった世間の潮流の中で孤立していく。それでも記者たちは大儀なき戦争を止めようと、米兵、イラク市民、家族や恋人の命を危機にさらす政府のウソを暴こうとする……。
主演:ウディ・ハレルソン
出演:ジェームズ・マースデン、ロブ・ライナー、ジェシカ・ビール、ミラ・ジョヴォヴィッチ、トミー・リー・ジョーンズ
監督:ロブ・ライナー『スタンド・バイ・ミー』
ⓒ 2017 SHOCK AND AWE PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
サロンシネマで5月10日(金)から5月30日(
https://johakyu.co.jp/
【配給】ツイン