コラム 2021/06/01

100万アクセスの前衛弁当作家・nancy【思い出の絵本を弁当にしてみた】/#08『そらまめくんのベッド』

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前衛弁当作家のnancyです。
本棚にある絵本を一冊ずつ手に取りながら、
表紙の絵で弁当を作り、
過ぎてしまえば笑える子育ての思い出を綴っていきます。

『そらまめくんのベッド』

子育て中、必ず通る母子のトレーニング。

ことごとく失敗してきた私が、「ネントレ」について語ってみる。

「ネントレ」とはつまり「ねんねトレーニング」。
私自身よく理解していないが、
おそらく、子どもが一人寝することを目的に
母子がトレーニングすることではないのかな? と、思う。

今では、たくさんの専門書もあるし、
実践して上手くいけば、子育ても少しは楽になり、
母子ともに快適な睡眠がとれるのかもしれない。

さて、
ウチの場合、母親である私が甘く、
息子がとにかく寝なかった。

彼は、自分が寝た後に面白いことが起こるかもしれないと、
そう思い込んでいて、
絶対寝るもんか! という覚悟で
ギリギリまで起きていた。

それについてはこんなエピソードがある

息子が2歳の時。

友人が遊びに来た。
一緒に遅めの夕食を食べながら談笑中、
遅くなったので、私は息子を寝かしつけようとして、
席を立ち、息子を抱き上げようとした。
すると
その手をふり払い、息子が目を見開いて言った。

「寝とる場合じゃない!」

お前は本当に幼児か? と誰かが言い、
一同大爆笑。

そんなわけで
「ネントレ」は最初の一歩も踏み出せず、
息子の頑なな態度に屈服したかたちで
あっけなく終わった。

あとは、なすがままに進むしかなく
添い寝、読み聞かせ、歌……と
寝る前の儀式もエンターテイメント性が高まり、

ますます寝ない。

しかし、
幸せそうな息子の顔を見ていると
それで良かったとその時は思った。

しかも、添い寝の時は私自身も至福の時間。

人が安心して眠りにつく幸福感は、
何ものにも代えがたい贅沢だと、
添い寝をしながら私も思った。

『そらまめくんのベッド』は、
その頃読み聞かせをした一冊。

そらまめくんは、眠りにつく幸福感を知っている。
だから、宝物のベッドを誰にも貸さなかった。
それくらい、
安眠のための環境づくりは大切だ。

私も安眠のために、
最高のマットレスを買い、
高級な枕に頭をうずめ、
軽い羽布団に包まれている。

それほどこだわっているのだけれど、
今の私が、あの頃のように幸せな気持ちで眠りに落ちることはない。

そう、添い寝の最中、
息子の温かさを感じながら、
家族の誰よりも早く寝てしまうあの瞬間。

あれほど気持ちよいものはなかったな……と、今では思う。

……と、キレイな感じで話を終わらせようとしていますが、
そうはいかない。

実際に寝落ちした私は、
起こされたら「なぜ起こす!」とあたり散らし、
起こさなかったら「なぜ起こしてくれなかった!」と言っては、怒ったものだ。

子育ての現場はそれはもう修羅場。
子どもの寝かせつけで、主人の協力は大したことなかったが、
嫌な思いは随分させたと思う。

そう、「ネントレ」は大事です。

今更だけど。

<弁当解説>

① パスタを茹で、ジェノベーゼソースを絡め、弁当箱に詰める。
② そら豆を塩茹でし、オブラートアートで顔をつける。
③ ①の上に紫のととしーとをのせる。
④ 黄色のととしーとをタイトルの形に切り抜き、③の上にのせる。
⑥ 卵の黄身とポテトサラダで月を作ってのせる。
⑦ ポテトサラダでベッドを作り、②をのせる。
⑧ ポテトサラダとオブラートで手足をつける。
⑨ サラダ水菜、ブロッコリースプラウト、ネギを飾る。
⑩ 卵の黄身を裏ごして、ところどころに散らす。

■弁当で再現した絵本■

『そらまめくんのベッド』 (作・絵:なかや みわ/出版社: 福音館書店)


そらまめくんの宝物は、雲のようにふわふわで、綿のようにやわらかいベッド。だからだれにも貸してあげません。ある日、そのだいじなベッドが突然無くなってしまったからさあ大変! そらまめくんは必死でベッドをさがしますが、どこにもありません。ところが、やっと見つけたベッドには、うずらがたまごを生んで温めていたのです。さて、そらまめくんは……。子どもたちに大人気の愉快なそらまめくんが大活躍する絵本です。(福音館書店HPより紹介文引用)

 

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nancy

nancy[100万アクセスの前衛弁当作家]

広島県東広島市在住。「弁当×芸術=前衛弁当」を提唱するアートなキャラ弁の第一人者。子育ての中で一人息子に読み聞かせた本は数知れず。自称「プロの親バカ」。

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