コラム 2021/03/31

100万アクセスの前衛弁当作家・nancyの【思い出の絵本を弁当にしてみた】/#06『みてるよみてる』

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前衛弁当作家のnancyです。
本棚にある絵本を一冊ずつ手に取りながら、
表紙の絵で弁当を作り、
過ぎてしまえば笑える子育ての思い出を綴っていきます。

『みてるよみてる』

子どものしつけについて思い出してみる。

こんなことを言うと語弊があるかもしれないが、
世代によって、子育ての流行みたいなものがあると、私は思う。

そう、私が子育てしていた頃は「叱らない育児」が流行り始め、
それと時を同じくして「ゆとり教育」に突入した。

だからといって、
叱らない方法を考える「ゆとり」が、私にはなかった。
よく叱ったし、よく悩んだ。
その繰り返しが何年も続いたけれど、
「どうしたら良かったのか」という答えは、まだ出ていない。

そんな叱り方に悩んでいた時期に出会ったのが、この本だ。

マンローリーフのしつけ絵本は、数冊あったように記憶している。
子どもの頃に図書館で見つけて読んだ本だったから、
見つけた時は飛び上がって喜んだものだ。

ちらかしや……
みせたがり……
ゆびなめまぬけ……

ユーモラスな絵とネーミングの効果なのか、
説教臭いところはまるでない。

けれど、いいところを突いている。

息子にこの絵本を読み聞かせていると、
「心当たりがある」と無表情でさっさとページをめくろうとした。
そこが妙に面白くて私は好んで読んだものだが、
今改めて読んでみると、
ここに登場する困った子どもたちはそのまま大人になり、そこらじゅうに存在する。
そしてそれが自分であることにも気づく。

子どもに「こんな人は嫌われるよ」
「こんなことしちゃいけないよ」
と説教臭いことを言う私こそが、まさに困った子どもだったのだ。

そしてもう一つ重要なポイントが、この本にはある。
それは「みてるよみてる」というメッセージ。

作者は「どんなに隠したって見ている存在がいるよ」と
伝えたかったのではないかな? と私は思う。

読み聞かせしていた頃は
今みたいな監視社会が来るとは予想もしなかったけれど、
まさに今、世界は「みてるよみてる」

古い本なのだけど
そういう意味でも
この本はいいところを突いている。

<弁当解説>


① 鶏のモモ肉に塩コショウで味付けし、皮を下にして焦げ目がつくまで焼く。
② 人参を細めの千切りにする。
③ ②にオリーブオイルを混ぜ、ラップをして600Wの電子レンジで3分加熱。
④ 酢、はちみつ、マスタード、コショウでソースを作り、水気を絞った③を入れて混ぜ、人参のラペを作る。
⑤ 食パン2枚を用意し、片面にバターを塗り、青じそ、人参のラペ、1を重ね、サンドイッチを作る。
⑥ サンドイッチの表面にクリームチーズを塗る。
⑦ タイトルと絵を描いたオブラートを貼りつけてでき上がり。

 

■弁当で再現した絵本■

『みてるよみてる』 (著:マンロー・リーフ/ 訳:わたなべしげお)

どこかで、ものみどりが見てる…。うそつきっ子・なまけもの・なきべそ・よごれおばけ…日常生活の中でのさまざまな子どもの姿をとらえ、ゆかいな絵と文でユーモラスに描く。(「復刊ドットコム」HPより引用)

 

■nancychannel

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nancy

nancy[100万アクセスの前衛弁当作家]

広島県東広島市在住。「弁当×芸術=前衛弁当」を提唱するアートなキャラ弁の第一人者。子育ての中で一人息子に読み聞かせた本は数知れず。自称「プロの親バカ」。

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