11月30日は「絵本の日」 100万アクセスの前衛弁当作家・nancyの【思い出の絵本を弁当にしてみた】/#03『ゴムあたまポンたろう』
- 広島
- 絵本
- 絵本を弁当にしてみた
- 絵本弁当

前衛弁当作家のnancyです。
本棚にある絵本を一冊ずつ手に取りながら、
表紙の絵で弁当を作り、
過ぎてしまえば笑える子育ての思い出を綴っていきます。
『ゴムあたまポンたろう』
11月30日は「絵本の日」だそうです。
瀬田貞二さんが著した『絵本論』(福音館書店)にちなんで、認定された記念日なんですって。
そんな日に、綴るのは『ゴムあたまポンたろう』と息子の思い出……。
子育てには愛情と体力、そして運動神経が必要である。
『ゴムあたまポンたろう』 を読んで、私は心からそう思った。
そう、この絵本。
タイトルも内容もとてもシュール。
何しろ頭がゴムでできた「ポンたろう」の旅のお話。
この摩訶不思議な世界観。
カラフルな絵と面白いキャラクター。
これが子どもにウケまくる。
当然、私はこの絵本をよく読み聞かせた。
そしてかならず最後に言うことがあった。
「あんたの頭はゴムじゃないけぇね」と。
そう、息子はどちらかというと活発で、
いつも走るか、飛び跳ねるかしていたのだ。
息子がベビースイミングに通っていた頃、
子どもが飛び込みをして、親がキャッチするというプログラムがあった。
小さな頃は何の苦もなく出来たその動作。
息子が大きくなり、重量感とスピード感を増すと
それはかなりの重労働となり、ついに私の限界を超えた。
石頭ポン太郎(息子)がいきなり飛び込んできたのだ。
ボチャン!
身構えてはいたが、
力を入れるタイミングを間違え、手が滑った!!
気がついた時には
目の前で水しぶきを上げて息子は水中に沈んでいった。
慌てて救いあげたから
ほんの数秒の出来事だったけれど、
水から顔を上げた息子の顔は恐怖で固まっていた。
そう、幼児の勘は鋭い。
むやみやたらに跳び込んだら、命の危険があること。
そして、親の頼りなさを一瞬のうちに察したのだ。
その後、そのプログラムは息子だけボイコット。
実に懸命な判断だったと思う。
余談ですが、
息子が高校生の時、テニスコートに私が呼ばれたことがある。
全国を目指していた息子が
ソフトテニスの練習の相手をしてほしいと言う。
私はうれしくてたまらず、
名誉挽回とばかりに、いそいそとジャージに着替えラケットを持った。
やる気満々の私であったが、
その役目はボールを打つのではなく、
相手コートに立って障害物になるというもの。
動くことも技術も必要なく、誰にでもできる任務だ。
顔の前にネット部分がくるようにラケットを持ち、スタンバイ。
オットさん(主人)が球出しをする。
息子がスマッシュを決める。
それだけの練習。
パン!
パン!
パ〜ン!
ゴムボールは放物線を描いて目の前に落ち、星がキラキラ〜。
なんと1回目の練習で、
息子のスマッシュを額で受けて、
私はそのまま崩れ落ちた。
一瞬の出来事でワケがわからなかったが、
どうやら、ボールを認識してラケットは下げたが
足を動かすことができなかったようだ。
かなりの激痛。
ゴムでも当たればとっても痛い。
そんなわけで、
大いに跳んだ息子にキャッチし損ねた母。
この程度のことは枚挙にいとまがない。
結局、体力と運動神経がなくとも子は育つ。
あれもこれも
今では笑うしかないけれど。
■弁当解説■
1.ご飯に梅酢と塩少々、桜海老を入れて、梅酢ご飯を作る。
2.市販の食用オブラートに食用の炭パウダーを水で溶かし、ポンたろうの顔、題字、鳥の絵を書く。
3.マッシュポテトにマヨネーズを混ぜたものでポンたろうを作る。
4.2のポンたろうの顔をマッシュポテトに貼り、食紅で着色。
5.お弁当箱にご飯を詰め、はんぺんの雲、4と題字、鳥の絵をのせる。
6.おかず(揚げさつまいも、さつま揚げ、パプリカのきんぴら、ブロッコリー)を盛りつける。
■弁当で再現した絵本■
山にポンとぶつかって、ボールのように空をとぶゴムあたまポンたろう。ゴムでできた頭は、どんなものにあたってもいたくありません。山にポン!とぶつかって、とんでいった先には、バットのような角をはやした大男がひるねしていて……。
バラの花畑や、おばけの町、ジャングル、サバンナなど、世界を旅するポンたろうのふしぎな世界一周の旅。(「童心社」HPより引用)
■nancychannel
HP:
インスタグラム:
https://www.instagram.com/nancychannel/

nancy[100万アクセスの前衛弁当作家]
広島県東広島市在住。「弁当×芸術=前衛弁当」を提唱するアートなキャラ弁の第一人者。子育ての中で一人息子に読み聞かせた本は数知れず。自称「プロの親バカ」。
nancyの記事一覧関連記事
-
コラム
3.11の記憶。「見た目にはそのときの傷はなくなっているが、人の心の中には残っている」映画『風の電話』フォトブックを読む
11年という歳月。 当たり前だけど、0歳だった子が11歳に。 11歳だった子は21歳と、成人になっている。 それぐらい、見た目に変化が見られる……
2022.03.11
-
コラム
労働者が見せてくれる、生きることや働くことの原点【アジアンドキュメンタリーズ】空鞘稲生神社の禰宜・内田久紀さんが『天国と地獄“悪魔の金”をめぐる物語』を語る
アジアの優れたドキュメンタリー映像を配信する「アジアンドキュメンタリーズ」。 戦争、貧困、環境、人権など、アジアの社会問題に鋭く切り込んだラインナップが特徴だ……
2022.03.04
-
観光・旅 コラム
温鉄!! ローカル線に乗って温泉に行こう! 第二回 そうだ山温泉&JR予土(よど)線(高知県)【後編】四万十川の清流と共に列車に揺られて
温泉をこよなく愛する温泉ソムリエ&フォトグラファー中野一行と、ローカル線に乗るのが大好きな鉄旅ライター・やまもとのりこの‟のんびり珍道中”。 第二回 そうだ山……
2022.02.24
-
観光・旅 コラム
温鉄!! ローカル線に乗って温泉に行こう! 第二回 そうだ山温泉&JR予土(よど)線(高知県)【前編】弘法大師ゆかりの名湯で高知料理を堪能
温泉をこよなく愛する温泉ソムリエ&フォトグラファー中野一行と、ローカル線に乗るのが大好きな鉄旅ライター・やまもとのりこの‟のんびり珍道中”。 第二回 そうだ山……
2022.02.24