観光・旅 2019/07/18

ゲストハウス「つるや木賃宿(きちんやど)」に泊まる【土橋】

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復興した今の広島を伝えたい

広島市内を流れる太田川。その河畔の道沿いに、そのゲストハウスはある。とはいっても、そこはカフェバーを兼ねたレセプションとなっていて、ゲストルームは徒歩3分ほどの所にある。その民家を改装したゲストハウスの名は、つるや木賃宿。木賃宿とは、薪代を宿泊料として払った昔の宿のことを言う。

レセプションを兼ねたカフェバー。仕事帰りに立ち寄る地元の人も多い

「ゲストハウスを始める際に、和風の名前がいいということで木賃宿にしたんです」と総支配人の上田健太さん。「つるやという名前は、私の曽祖父が戦前に営んでいた履物店から受け継ぎました」。上田さんの曽祖父の店は、かつての中島町――現在の平和祈念公園の中にあったという。

ゲストルームは徒歩で約3分の場所にある。ここで宿泊ルールや道筋を聞いて、そちらへ向かうシステム

原爆の被害を受けた曽祖父の店の名前を継ぎ、原爆ドームからも近い場所に宿を構えたのには、強い想いがあった。「広島に起こったことを知ってもらいたいという気持ちはもちろんあります。ですが、それだけではないんです」。それはゲストハウスを起ち上げた仲間の一人、山坂哲大さんの海外での体験がきっかけだった。外国人の多くは、広島を原爆の投下された街としか認識していなかったという。「でも広島はそれだけじゃない、立派に復興して、楽しいこともたくさんある。その今の広島を知ってほしいんです。それで、たくさんの人を受け入れるゲストハウスを開こうと、仲間達と動き出したんです」。

2段ベッドが並ぶ男女混合のドミトリー。広々とした大きめのベッドで快適に過ごせる。Wi-Fiや読書灯、ロッカーなども完備している

原爆ドームや平和祈念公園に近い場所で選んだ物件は、もともと材木屋として建てられ、その後は民家となっていた築70年の建物だった。高い天井や梁などには日本家屋の風情が残っているが、バーカウンターはスタイリッシュな装いとなっている。「カフェバーにも意味があります。旅人と地元の人がここで触れ合うことでも、今の広島を知ってもらえるんじゃないかと思ったんです」。

カフェバーには立ち飲みスタンドもあり、ふらりと立ち寄る客も。1日700円で利用できるレンタルサイクルでの広島巡りもオススメ

また貸切り部屋としても使えるカフェバー部の2階は、普段はワークショップやイベントなどが開かれているが、ここでも体験や交流を通して今の広島を発信する企画ができないか思案中だという。

「もっと上手に、スムーズに広島の案内ができるようになりたい」という上田さん。今後はさらにゲストルームを増やし、もっとたくさんの人が今の広島に触れる機会を作りたいとも語ってくれた。

 

<オーナーによるおすすめ>

名称 つるや木賃宿
電話 082-942-5500
住所 広島県広島市中区本川町2-1-7(Googleマップはこちら)
料金 ・ 男女混合ドミトリー
1泊3000円~
・ 女性専用ドミトリー
1泊3000円
HP https://www.facebook.com/tsuruyaguesthouse/

 

photo:masato yamaguchi
writer:yoshio arakawa
direction&rewriting:ryohey

●記載の内容は取材時点の情報に基づきます。変更される場合がありますので、ご利用の際は事前にご確認ください

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堀友良平

堀友良平[株式会社ザメディアジョンプレス 企画出版編集・FLAG!web編集長]

東京都出身。学研⇒ザメディアジョンプレス。企画出版、SNS、冊子などの編集担当。書籍「古民家カフェ&レストラン広島」などのグルメ観光系や、「川栄李奈、酒都・西条へ」などのエンタメ系なども制作。学研BOMB編集部時にグラビアの深さを知りカメラに夢中

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