通販で年商50億円売り上げた著者が綴る『LTVを最大化させる「顧客データ」活用の教科書』　数学アレルギーの会社員が読んでみたら目からうろこだった

『LTVを最大化させる「顧客データ」活用の教科書』がザメディアジョンから発刊された。

タイトルを見た瞬間、これは今まさに自分が読んでおくべき本だと感じた……が、怯えた。数字？データ？活用？いやいや、電卓を出しても計算ミスするのがデフォの私には、高度なマーケティング本なんて荷が重すぎる。

しかし、著者は通販で年商50億円を達成した人物。きっとスペシャルな内容に違いない。そんなこんなで意を決して読み始めてみると、なんだか妙にスルスルと頭に入ってくるじゃないか。

対話形式がわかりやすい

本書は、通販で年商50億円を売り上げた坂田純氏（マーケデュケーション代表）が、「LTV」（顧客生涯価値）をいかに重視し、データを賢く活用していくかをわかりやすくまとめた一冊だ。データ分析の権威・坂田氏と、カフェと通販を営む女性が対話形式で話を進める構成になっている。

これがまた、親しみやすいのだ。

正直、データの話って「エクセルの関数を使いこなせ！」「このグラフを見れば一目瞭然！」みたいな上から目線の解説が多い印象だったが、本書は違う。まるで雑談のような会話の流れの中で、「え、それなら私にもできるかも？」と思わせてくれる。

データは見ているようで、実は使えていない

特に印象に残ったのは、「顧客データって、使ってるつもりでも、実は使えてないことが多い」という指摘。確かに、何かしらのデータを眺めて「ふーん」と思うことはあっても、それを実際に売上に結びつける方法は考えたことがなかった。

この本では、「レッスン１ データは宝の山」「レッスン２ データはLTVの入口」「レッスン３ 使えるデータの作り方」「レッスン４ 実はデータってこう見るんだ！」「レッスン５ データは地図」という五つのテーマを軸に、具体的な表や図解を交えながら、どうやってLTV（顧客生涯価値）を高めるかを実践的に解説している。

数字が苦手でも理解できる工夫

とはいえ、途中で出てくる数字やグラフを見ると、一瞬「無理！！」と叫びたくなる瞬間もあった。

だが、安心してほしい。

この本は、数字が苦手な人のために、分かりやすく噛み砕いて説明してくれる。店主が「頭がくらくらしてきました…」と嘆くシーンには、思わず「それな！」と膝を打った。すると、データ博士・坂田氏が「じゃあ、こう考えてみたら？」と、超シンプルな視点を提示してくれるのだ。

データこそが最強の武器になる

マーケティングの世界では「センスが大事」とか「感覚がモノを言う」みたいな話をよく聞くが、本書を読んで思ったのは、「データこそが最強の武器になる」ということ。センスはあっても、それを数値化できなければ再現性がない。でも、データをしっかり活用すれば、売上を上げるための「勝利の方程式」が見えてくる。

数学＆データアレルギーでも大丈夫

とはいえ、私のように数学やデータ分析が苦手な人間が、すぐに「LTVマスター」になれるわけではない。でも、この本を読めば、少なくとも「データって、実はちょっと面白いかも？」と思えるはずだ。マーケティング担当者や経営者だけでなく、私のような普通の会社員でも、自分の仕事に活かせるヒントがたくさん詰まっている。

本書は、通販や経営者向けの必読本として、多くの人に役立つ一冊だ。

最後に。

この本を読んだ後、私はエクセルを開いてみた。そして気づいた。「関数の使い方、全然わかんねぇ…！」それでも、この本のおかげで、「数字と仲良くなれるかもしれない」という希望を持つことができた。数学アレルギーの人にこそ読んでほしい一冊だ。

【媒体概要】
タイトル：LTVを最大化させる「顧客データ」活用の教科書
発売日：令和７年1月17日（金）
体裁：四六版／本編128頁
販売エリア：全国の主要書店、Amazon
販売価格：1980円（税込）
発行：ザメディアジョン

【著者プロフィール】
坂田 純（さかた・じゅん）
中央大学卒業後、美術工芸品専門の通信販売会社に就職。主に複製名画、洋画、工芸品の商品企画開発に携わり、通信販売の企 画コンセプト立案や商品開発の手法を学ぶ。退社後、健康雑貨を販売する 通信販売会社「株式会社レミントン」に1号社員として入社。自ら開発した商 品を折込チラシを用いて年間5億円売り上げ、事業を軌道に乗せることに成 功する。後に常務取締役を経て、2011年に代表取締役に就任。11年間社長 として経営を執り行い、2022年4月末に退任した。 2019年、個人会社「合同会社マーケデュケーション」を設立。現在は通販・ マーケティング会社に対する企画販売支援、データ分析支援、組織開発・人材 育成支援事業等を行っている。