温泉ぬくぬくコラム 「なぜかけ流し温泉が素晴らしいのか」
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FLAG!の迷惑、迷走、名物企画として、ほんの一部の方たちから圧倒的な支持を集めていた(妄想)連載企画「温泉同好会」。
温泉ソムリエの資格を持つカメラマン「温カメ」と、変態的釣り編集者の「釣り編」が、広島県内各地の温泉をめぐり、温泉の素晴らしさと施設の魅力をゆる~いテイストで伝えている。
そんな全くやる気を感じられない二人が広島を飛び出し、中国・四国地方の厳選された温泉62施設を紹介する一冊を作り上げた!
その名も「温泉ソムリエ・中野一行 厳選 中国・四国かけ流し温泉ガイド&メモ」。
施設紹介は本誌を参照していただくとして、ここでは温カメが愛して止まない「かけ流し温泉」の素晴らしさについてご紹介しよう。
まずは家のお風呂をイメージ
Text by Nakano Kazuyuki
「かけ流し」についてふれる前に、簡単に説明が必要です。まずは、家庭のお風呂をイメージして、読んでみてください。
●「かけ流し放流型浴槽」
蛇口を開きっぱなしにして、浴槽のフチから湯がオーバーフローしている状態
●「かけ流し循環併用型浴槽」
蛇口を開きっぱなしにして、浴槽のフチから湯がオーバーフローしていて、さらに追い炊きをしている状態
●「循環型浴槽」
蛇口はしまっていて、浴槽のフチからオーバーフローさせないで、追い炊きをしている状態
どれがぜいたくでしょうか。圧倒的に「かけ流し」ですよね。
新鮮な湯が絶えず注がれる浴槽は、ぜいたく以外のなにものでもありません。
かけ流し温泉のここが素晴らしい!
では話しを家庭のお風呂から、温泉に戻しましょう。
温泉には揮発性の成分が含まれた泉質もあります。
これを循環のみで使うと、揮発性の成分はなくなり「源泉のオリジナリティー」はなくなってしまうのです。
この本の掲載施設でも、湯温調整の「加水」や保健所の指導による「塩素殺菌」などの影響が見られる所があります。
ですがそれは許容範囲。
それでも「源泉かけ流しにこだわる姿勢」こそが、私の心を熱くするのです。
最後に何施設かある「セルフかけ流し」の施設を説明します。
基本的に、家庭のお風呂と一緒で蛇口やレバーを動かして、浴槽の中の湯の状態を調整する方式です。
つまり、自分でかけ流しにできるのです。
ですが一人以外の時は他の利用者に「聞きながら」「譲り合いながら」調整してください。
それができる方のみ操作してください。
それが温泉道です。
※ちなみに温泉施設の「循環」は「循環装置」を通して湯をろ過・塩素を注入しているので(一部例外あり)、家庭の「追い炊き」とは違いますよ。湯が少なくなれば、足し湯もされます。