感覚ピエロ、クアイフ、リーガルリリー……ハルバン’19レポート(1/2)
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音楽イベント「ハルバン’19」が3月23日(土)・24日(日)の2日間にわたって開催された。 3回目となる「ハルバン」は、広島クラブクワトロやセカンドクラッチ、VANQUISH、Cave Be、タワーレコード広島店などの会場から、広島の地元バンドをはじめとするアーティストたちが一斉に音楽を発信するサーキットフェス。街と人とバンドが「音楽」でつながる日だ!
FLAG!でも紹介したペロペロしてやりたいわズ。から「PERO」に改名後、初のフルアルバム「ロマンスロス」を発売。リリースツアーやワンマンライブを開催するなど、いま広島で最注目のバンドだ。また、3月に新アルバム「Focus」をリリースし、全国リリースツアーも決まっている「NoisyCell」。ドラマや映画などの主題歌に抜擢され、メジャー、インディーズの垣根を超えて着実に幅広い層へとその名を広げている「感覚ピエロ」。東京都出身ガールズ・スリーピースバンドで、音楽好きの間では大注目されている「リーガルリリー」など、アドレナリン大放出のラインアップ!
FLAG!編集部は、この2日間で出演する気になるバンドを絞りに絞って追いかけてみました。重いカメラを片手に、胸ポケットには使い古いしたメモ帳を入れて走り回りました! ただ、体力的にも限界があるアラフォーであることをお許しください。
3月23日(土)
リーガルリリーのたかはしほのか(Vo&Gt.)
今年1月にグランドオープンしたライブバンキッシュ。広島の新たな音楽発信基地(キャパ400人ぐらい)を真昼間から埋め尽くしたバンドは「リーガルリリー」。やはり、注目度の高さを感じ取れる。1曲目から、たかはしほのか(Vo&Gt.)が、空想的だけど妙に胸に刺さる歌詞をかわいらしい声で淡々と歌い上げる中、客は全体で盛り上がるというよりは、一人一人がリーガルリリーの描く世界観に浸りながら楽しんでいる。そんな雰囲気だ。そして彼女たちの魅力は曲ばかりではない。たかはしほのかワールド全開のMCトークは、もはや芸術の域に達している。受け手の解釈にゆだねられるのだ。ポカンとしていると次の曲が始まるので、注意したい!
次に向かった先はバックビート。広島市内のライブハウスをこうしてサーキットしていくのって、改めて面白いイベントだなと思った。野外フェスだと、そのエリア全体が音楽漬けになっていて、高揚感をキープしながらいろんな音を楽しめるけど、ライブハウスからライブハウスへ移動するサーキットは、町全体が日常風景だから、箱から出ると「なんか、すみません……」という気持ちになる。一回、リセット。いや、これはこれで実に良い。深呼吸して次のライブハウスへ向かう道中、僕はただ街を歩く人の1人。そして、ライブハウスの扉を開ければ「イッツ・ザ・ミュージックワールド!」。ローテンションとハイテンションの繰り返し。
そんなことを考えながらバックビートの扉をオープン。こちらも開始20分前でほぼ満員。ここで観るのは「THE FOREVER YOUNG」、通称エバヤン。福岡県久留米市在住の4人組だ。青春パンクを彷彿とさせる音楽性と、その泥臭いステージが話題を呼び、人気急上昇中のバンドだ。若者の気持ちを代弁するような熱いメッセージが込められたナンバーや、甘酸っぱいラブソングまで、超ド直球のパンクロックがアラフォーの心にも突き刺さる。
2つのバンドを聴き終えて、早くも脚にくる……。無理はできないと、ひとまず昼休憩をはさんでみた。個人的にだが、街中でサーキットする場合、タイムスケジュールのほかに近辺の飲食店情報があると便利だなと思った。バンド好きも腹は減るのだ! 県外から参加した人は、特に地理的な情報はほしいところだろう。かくいう僕も広島に引っ越してきて3年が経つが、いまだに疎い。広島出身のバンドが勧める店とか、ちょっと行ってみたくなる。

クアイフの森彩乃(ピアノ&Vo.)

クアイフの内田旭彦(Ba./Cho./Prog.)
再びバックビート。「クアイフ」という名古屋発のピアノボーカル、ベース、ドラムからなる3ピースバンドだ。アニメ「いぬやしき」のEDテーマ「愛を教えてくれた君へ」でメジャーデビューしたバンドで、僕はその曲を聴いてから、バラードもロックも妥協ない彼らの曲にどっぷりとハマり……。「死」から「恋愛」まで幅広いテーマを歌うバンドだけど、その歌詞が「日常」という大きなくくりというか、共感しやすいのもハマった要因の一つかしれない。いつかライブに行ってみたいと思っていたバンドの一つ。とにかくピアノボーカルの森彩乃さんが、見た目からは想像もつかないパワフルさで、その力強さの中にやさしさがある声が、これまた良い!

Rythmic Toy World

感覚ピエロ
バンキッシュへ戻る。さすがの人気バンドというべきか、「Rythmic Toy World(リズミックトイワールド)」「感覚ピエロ」の2バンドが、ここバンキッシュで連続ライブとあって、客であふれかえっていた。リズミックトイワールドは、アニメ「弱虫ペダル」の主題歌「僕の声」がブレーク。キャッチーでメロディアスな曲調はのりやすく、ライブ初心者でも十分に楽しめるバンドだろう。感覚ピエロは、もはや言わずと知れたビッグバンド。自主レーベルであり、独自な路線で活動を行いながらも、ドラマ、映画などの主題歌に選ばれ、メジャーやインディーズの垣根を超えて着実に幅広い層に人気を得ている。

Noisy CellのRyosuke(Vo.&Gt.)

Noisy CellのRyo(Gt.&Prg.)

Noisy CellのKiara(Ba.)

Noisy CellのTatsuya(Dr.)
スマトラタイガーへ。2018年12月にインタビューさせていただいた「Noisy Cell」のライブへ。3月にリリースしたニューアルバム「Focus」を引っ提げて、再び広島にやってきたノイジーセル。会場は超満員で女性客が多い。エモーショナルなボーカルとシャウト、ラウドとデジタルが融合されたサウンドが特徴で、ライブパフォーマンスにも定評があるバンド。この日も、圧倒的なサウンド力とボーカル力でファンを魅了した。

堀友良平[株式会社ザメディアジョンプレス 企画出版編集・FLAG!web編集長]
東京都出身。学研⇒ザメディアジョンプレス。企画出版、SNS、冊子などの編集担当。書籍「古民家カフェ&レストラン広島」などのグルメ観光系や、「川栄李奈、酒都・西条へ」などのエンタメ系なども制作。学研BOMB編集部時にグラビアの深さを知りカメラに夢中
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